通販大手の千趣会が、ブライダル事業を売却すると発表した。世の中の結婚観の変化で通信販売事業への送客が限定的となり、また新型コロナウイルス感染拡大で経済環境が不安定となったことから、事業構造の再構築の一環としてブライダル事業の売却を決めたという。

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 譲渡するのは、千趣会の完全子会社で北関東および九州を中心にハウスウエディング事業を運営するディアーズ・ブレインと、大阪府吹田市江坂の「ミア ヴィア(Mia Via)」および万博記念公園内の「迎賓館」の2つの施設においてゲストハウスウエディング事業を展開するプラネットワークの全株式で、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズが出資する新会社ディアーズ・ブレインホールディングスが買収する。株式譲渡実行日は3月31日を予定し、譲渡額は非公開。また、千趣会は同社に対し、議決権比率5%相当の出資を行い、業務提携契約を締結する。なお、ディアーズ・ブレインの子会社ワンダーステージは千趣会の連結子会社から除外される。

 千趣会はディアーズ・ブレインとの資本業務提携を通じて2007年11月にブライダル事業に参入し、2008年5月に同社を子会社化。2015年にはプラネットワークを傘下に収めた。

ブライダル事業では同年7月からワタベウェディングと資本業務提携を締結し、持分法適用関連会社化している。今後、千趣会は通信販売事業をコア事業と位置付け、ブライダル事業については資本業務提携を通じて連携していくという。

 株式譲渡に伴い、千趣会は2021年12月期通期の業績予想の下方修正を発表。連結売上高は760億円(前回予想から16.5%減)、連結営業利益は10億円(同50%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億5000万円(同42.5%減)に引き下げたが、前期から黒字に転換する見通しだ。