2019年9月8日、千葉県千葉市美浜区、千葉県立幕張海浜公園においてレース専用飛行機で操縦技術とタイムを競う大会「Red Bull Air Race World Championship」2019年シリーズの最終戦、「Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019」の決勝が行われた。
室屋義秀 photo by shuji izumoマルティン・ソンカやマットホールをはじめ、数ある名パイロット同士の激戦を勝ち抜き、「Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019」を制し、室屋義秀が母国日本で見事優勝を果たした。

ROUND OF 14でまさかの敗退、しかし
7月にハンガリー・バラトン湖で行われた前大会終了時点では、室屋は55ポイントで年間ランキング3位。1位のソンカが67ポイントで12ポイント差、年間優勝を虎視眈々と狙う。7日の予選では5位、予選1位から3位に与えられるポイント獲得はならなかったが、順当にROUND OF 14へ進出。8日のROUND OF 14では57秒912の好タイムを記録するも、ベン・マーフィーがそれを上回る57秒897で室屋は敗退。敗者のうち最もタイムの良かったものがROUND OF 8へ進むことができる「ファステスト・ルーザー」として進出を果たす。また、優勝候補として有力であったソンカがニコラス・イワノフにまさかの敗退。番狂わせの展開となった。

室屋が母国で優勝、マット・ホールが初めての年間王者に
ROUND OF 8で室屋は57秒895でフランソワ・ルボットに勝利、FINAL 4へと進む。FIANAL 4では室屋、優勝に最も近い男ホール、25歳で最年少のピート・マクロード、歴戦の猛者カービー・チャンブリスという顔ぶれとなる。トップバッターの室屋は58秒630を記録。続くマクロードはパイロンヒットし1分04秒028、チャンブリスも59秒601で残るはホールとのタイム争いとなった。

圧巻のサイドアクトも
会場では多くのキッチンカーやブースも充実。また、FMX 、BMX PARK STYLE、フリースタイルフットボールのパフォーマンスも行われた。FMXでは鈴木大助、江原大空、大地らが登場、バイクによるアクロバティックなパフォーマンスで会場を沸かせた。BMX PARK STYLEではSenad Grosicや高木聖雄がBMXで宙に舞う。フリースタイルフットボールでは徳田耕太郎(Tokura)らが登場し華麗な足技を披露し、会場の人々は初めて見る競技のプレイヤーたちに驚きの歓声と拍手を送った。

優勝者コメント
優勝:室屋義秀母国での開催で、多くのファン、家族が駆けつけてくれました。多くの方が背中を押してくれたおかげで今日は「いけそう」な感覚がありました。できれば優勝したいという思いもありましたが、ベストを尽くした上で届かなかったという点では悔いはないです。また、長く一緒に戦ってきたマット・ホールの優勝は素直に嬉しく思っています。

Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019 結果
優勝:室屋義秀
2位:カービー・チャンブリス
3位:マット・ホール
年間総合優勝:マットホール

THE MOMENTS of Red Bull Air Race World Championship CHIBA 2019









Red Bull Air Race World Championshipとは
世界最高の飛行技術を持つレースパイロットたちが、最高時速 370km、最大重力加速度 12G の中、操縦技術の正確さ、知力、体力、そして精神力の限りを尽くしてタイムを競う FAI (国際航空連盟)が公認する究極の三次元モータースポーツ。高速で機動性に優れた レース専用飛行機を使用し、1 機ずつペナルティを回避しながら高さ 25m の空気で膨らま せたパイロン(エアゲート)で構成する低空の空中コースを周回して飛行タイムを競う。

開催概要
名称:RED BULL AIR RACE CHIBA 2019 (レッドブル・エアレース千葉2019)
日程:9 月 7 日(土)予選、8 日(日)決勝開場 10:00(予定)、競技開始 13:00(予定)、競技終了 18:00(予定)
※天候などのコースコンディションにより変更となる場合有
会場:千葉県立幕張海浜公園(千葉市美浜区)
内容:国際航空連盟(FAI)公認の飛行機レース世界選手権、全 8 戦の第 5 戦 世界トップクラスのレースパイロット 14 名が参加。
主催: レッドブル・エアレース・ジャパン実行委員会
文・金子修平