日経平均は3日ぶり反発。10日の米株式市場でNYダウは4日続落。
世界経済の減速懸念を背景に景気敏感株が軟調。金利低下が支援も、4月消費者物価指数(CPI)を前にした警戒感が強いなか、クリーブランド連銀メスター総裁のタカ派発言が重しとなり、もみ合いの末に下落。一方、長期金利の低下を受けてナスダック総合指数は4日ぶり反発、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%強と大幅に反発。前日に時間外取引のナスダック100先物の上昇を通じて米株高を織り込んでいた日経平均は121.72円安からスタート。それでもSOXの大幅高などを背景に値がさハイテク株に買いが入るなか、好決算銘柄への買いも下支えし、下げ渋ると、前引けにかけてプラス転換。後場はトヨタ自の決算後の株価急落が重しとなったが、下げ渋ってプラス圏を維持した。


 大引けの日経平均は前日比46.54円高の26213.64円となった。東証プライムの売買高は13億6854万株、売買代金は3兆2045億円だった。セクターでは海運、鉄鋼、その他製品などが上昇率上位に並んだ一方、保険、輸送用機器、銀行などが下落率上位となった。東証プライムの値上がり銘柄は全体の34%、対して値下がり銘柄は63%となった。

 個別では、郵船や川崎汽船などの海運株が大幅高となったほか、SOXの上昇を追い風にレーザーテックが大きく上昇。ファーストリテ、OLC、ベイカレントなどの値がさグロース株も堅調。
そのほか主力では、決算を発表した任天堂、ソニーG、日本製鉄、ダイキンなどが大幅高。任天堂は1対10の株式分割が、日本製鉄はガイダンス非公表も目標値の提示が好感された。東証プライム値上がり率上位ではレノバがトップとなったほか、今期の大幅増益・増配計画がサプライズとなった東邦チタニウム、増益・増配計画に加えて自社株買いも発表したデクセリアルズがランクイン。メンバーズ、ファイズHD、横河電機、丸和運輸、メイコー、IHIなども好決算が好感され、上位に並んだ。

 一方、後場に決算を発表したトヨタ自は今期計画が市場予想を大きく下回り急落、デンソー、トヨタ紡織なども連れ安。米長期金利の低下を受けて三菱UFJ、みずほFG、第一生命HDなど金融・保険株が大幅安。
住友鉱山は減益・減配計画が嫌気された。三菱商事、三井物産などの商社株も一時急落したが、下げ渋った。村田製はレーティング格下げを受け下落、太陽誘電は決算にサプライズはなかったものの、これに連れ安して大きく売られた。今期以降の減益見通しがネガティブサプライズとなった大平洋金属はストップ安となった。ほか、今期ガイダンスが市場予想を下回ったJMDCが急落し、東証プライム値下がり率上位に入った。