4日の日経平均は反発。273.47円高の29794.37円(出来高概算14億8000万株)で取引を終えた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けた米国株の上昇を映してリスク選好ムードが広がった。また、好決算企業への物色も継続し、取引開始直後には29880.81円まで上げ幅を拡大させた。その後は、主要企業の決算発表が相次いでいることから、個別物色の動きが強まったが、相場全体を押し上げるには力不足で、後場は29700台でもみ合う展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄が1500を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、繊維製品、電気機器、倉庫運輸、機械、ガラス土石など27業種が上昇。一方、海運が6%を超える大幅な下げとなったほか、鉱業、その他製品、水産農林など6業種が下落した。
指数インパクトの大きいところでは、東エレク、キーエンス、テルモ、ダイキン、富士フイルムが堅調だった半面、ヤマハソフトバンクG、花王、ネクソン、任天堂が軟化した。

注目されたFOMCでは、11月のテーパリング開始が正式決定され、インフレに関する文言も微修正された。タカ派色が強まらなかったとして米株式市場では好感され、主要3株価指数いずれも過去最高値を更新した。この流れを引き継いで、東京市場でもリスクオンムードが強まった。また、日本製鉄、富士フイルム、東京精密といった好決算銘柄に対する物色が強まるなか、投資マインドを上向かせていた。一方、好決算を受けて出尽くし感が広がった郵船、川崎船が急落した。


FOMCの結果は市場の想定通りの結果で波乱なく無事に通過したことから、買い安心感につながった。ただ、「FOMCに対する本当の意味での市場の反応を見極めるまでにはしばらく時間を要する」と考えている投資家も多い。3万円の大台に接近してくれば、戻り待ちの売りなどを控えている向きも少なくない。また、製造業の業績改善はこれまでの相場上昇である程度織り込み済みで、サービス業や小売業といった新型コロナの影響で痛手を被った企業群が明確に業績改善を実現出来なければ、「相場のさらなる上昇は難しい」との指摘も聞かれ、目先は29500円を挟んで上下500円程度のボックス相場が続きそうだ。