10日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。今晩発表の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回れば、金融正常化の加速に思惑が広がりドル買い優勢に。
ただ、その際には株安に振れ、円買いがドルの重石となりそうだ。

前日の取引は材料難のなか米10年債利回りにらみとなり、ユーロ・ドルが1.14ドル台半ばまで浮上、ドル・円は115円前半に失速する場面があった。本日アジア市場は東京市場の3連休を控え国内勢が米金利の低下を手がかりにドル売りを進め、115円半ばで小幅に下落。また、日経平均株価は序盤から上げ幅を縮小し、日本株高を好感した円売りを弱めた。ただ、全般的に様子見ムードが広がり、小動きとなった。

この後の海外市場で焦点となる米CPIは前年比+7.3%と、昨年12月の+7.0%を上回る見通しで、連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め加速への期待から金利高・ドル高がメーンシナリオ。
ただ、インフレ高進は織り込み済みで、市場予想を下回れば逆方向に振れる可能性も。一方、金融正常化への思惑で株売りが強まればドルの上昇は抑制されよう。また、欧州中銀(ECB)の引き締め観測も、ドルの下押し要因となる。

【今日の欧米市場の予定】
・18:05 ベイリー英中銀総裁講演
・19:00 欧州委員会経済見通し
・22:30 米・1月消費者物価指数(前年比予想:+7.3%、12月:+7.0%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:23.0万件、前回:23.8万件)
・03:00 米財務省・30年債入札
・04:00 米・1月財政収支(予想:+216.00億ドル、21年1月:-1628.32億ドル)