15日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:決算ピーク通過、好決算ながらもイレギュラー的に売られた銘柄などへは再評価の動き
■東京海上、22/3上方修正 経常利益5700億円←4800億円、コンセンサス上回る
■前場の注目材料:九州電力、ウズベキスタン参入、仏社などとガス複合火力

■決算ピーク通過、好決算ながらもイレギュラー的に売られた銘柄などへは再評価の動き

15日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。
14日の米国市場ではNYダウが171ドル安だった。セントルイス連銀のブラード総裁がTVインタビューで、金融引き締め計画を前倒しで実施する必要性を強調したほか、ロシアが近くウクライナ侵攻に踏み切るとの警戒感がくすぶり、売り優勢の相場展開となった。連日の大幅な下げに対する自律反発狙いの動きから下げ渋る場面も見られたが、米政府がキエフのウクライナ大使館の移転計画を明らかにすると、再び売りが強まるなど終日軟調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の27055円。円相場は1ドル115円50銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の相場展開になりそうだ。
ただし、27000円を上回って取引を終えていることもあり、昨日同様、27000円水準での底堅さは意識される可能性はあるだろう。大幅下落に対する自律反発を狙った動きなども見られそうであり、短期的には前日に弱い値動きが目立っていた指数インパクトの大きい値がさ株などへは、いったんリバウンドの動きも意識されやすいと考えられる。もっとも、明確な底入れは見極めづらく、ウクライナ情勢の行方を警戒しつつ、短期的な値幅取り狙いの売買が中心になりそうだ。

また、VIX指数は32.04まで上昇する場面も見られるなど、ボラティリティの高い状態であることから、積極的にはポジションを傾ける動きは考えづらい。NT倍率は低下傾向を見せていることもあり、リバランスの動きがあったとしても、当面はNT倍率の低下を想定したバリュー株優位の需給状況とみておきたい。そのほか、決算発表は昨日でピークを通過したため、今後は好決算ながらもイレギュラー的に売られた銘柄などへは再評価の動きが出てくる可能性はあるだろう。
足元で決算を評価された銘柄についても積極的なトレードは限られていたと見られる。

また、昨日のマザーズ指数は4%を超える下落となった。調整トレンドは継続しているものの、2月8日につけた安値736.54をキープしてくるようだと、短期的にはリバウンドの動きを見せてくる展開も期待されやすいところだ。指数へのインパクトが大きい時価総額上位の銘柄の一角には自律反発を狙った動きも意識されよう。

■東京海上、22/3上方修正 経常利益5700億円←4800億円、コンセンサス上回る

東京海上は2022年3月期業績予想の修正を発表。経常利益を4800億円から5700億円に上方修正した。
コンセンサス(5030億円程度)を上回る修正。国内における保険料収入の増加や、自然災害や大口事故の減少、北米拠点のキャピタルゲインの増加も利益を押し上げる。

■前場の注目材料

・1ドル115.50-60円
・SOX指数は上昇(3370.20、+4.95)
・米原油先物は上昇(95.46、+2.36)
・米国景気の拡大
・海外のコロナ感染沈静化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い

・九州電力ウズベキスタン参入、仏社などとガス複合火力
・OSG小径ドリル2倍増産、愛知・新城の投資前倒し
・キリンHDミャンマーの酒類事業から撤退、国軍系と交渉難航
・三菱重高砂製作所に水素実証設備、製造から発電まで
・トヨタ来月2工場3ラインで調整、生産台数見通しは変えず
・住友ゴム中国・欧州にEVタイヤ、低電費・静粛性強み
・カネミツ米澤工作所と新会社、EV関連部品生産
・サイバーダインインドネシアで医療機器承認取得
・NEC撮影場所を簡単特定、新技術、地上景観と衛星画像照合
・ソフトバンク成層圏通信とEVで災害対策実証、HWエレクトロと共同
・昭和電工半導体・電材売上高2.4倍、5年2500億円超投資
・帝人中国新工場稼働、車用コンポジット製品生産
・花王コーセーと使用済みボトル水平リサイクル、協業第1弾

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 10-12月期GDP速報値(前期比年率予想:+6.0%、7-9月期:-3.6%)

<海外>
・特になし