26日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今晩の講演でタカ派姿勢を今後緩める可能性を示唆すれば、期待後退でドル売り先行。
ただ、FRBの優位性でドルは売りづらい地合いとなりそうだ。

前日の取引で米10年債利回りの低下でドル売りが強まり、ドル・円は136円90銭付近から136円40銭付近に下落。ただ、ユーロへの下押し圧力でユーロ・ドルは0.99ドル半ばに失速し、ドル・円は底堅い値動きに。本日アジア市場は日経平均株価をはじめアジアの主要指数が堅調地合いとなり、円売りが先行。また、前日大きく低下した米10年債利回りの下げ渋りでドル売りは後退し、円など主要通貨は対ドルでやや値を下げた。

この後の海外市場はFRB議長の発言が焦点。
パウエル氏は今晩の講演で景気減速に陥るリスクはあっても、記録的なインフレを抑止するため引き締め方針を強調するとみられる。一方で、今後については「データ次第」と政策余地を残す可能性があろう。タカ派姿勢を緩める見解なら引き締め加速への期待は後退し、金利安・ドル安が見込まれる。ただ、他の主要中銀に対する優位性からドル売りは限定的となり、下値の堅さが意識されそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・7月個人所得(前月比予想:+0.6%、6月:+0.6%)
・21:30 米・7月個人消費支出(PCE)(前月比予想:+0.5%、6月:+1.1%)
・21:30 米・7月コアPCE価格指数(前年比予想:+4.7%、6月:+4.8%)
・21:30 米・7月卸売在庫速報値(前月比予想:+1.3%、6月:+1.8%)
・23:00 米・8月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(予想:55.3、速報値:55.1)
・23:00 パウエル米FRB議長講演(経済見通し、ジャクソンホール)