今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が-1.89%だったのに対して、グロース市場指数は-2.75%、グロース市場250指数は-2.93%と日経平均比でも弱い。
時価総額上位銘柄では、ティーケーピー<3479>が、第3四半期累計売上高・営業利益が大幅な増収増益となったことから買われた。一方、ispace<9348>は、1月15日の打ち上げに成功し、その後、ミッション2マイルストーンの「Success 3(安定した航行状態の確立)」に成功したことも発表したが、出尽くし感が先行し売り優勢となった。また、アストロスケールHD<186A>も、第2位の株主が全株式を売却したことで需給懸念等が嫌気されて下落。このほか、QPS研究所<5595>も、今期営業利益見通しを下方修正し売られるなど、宇宙関連銘柄は総じてきつい下げとなった。
■新興市場は静かな地合いか
来週は、20日のトランプ米大統領就任式、23-24日の日本銀行金融政策決定会合など日米でビッグイベントが控えており、プライム市場に関心が向かい、新興市場は静かな地合いとなりそうだ。200日移動平均線突破に失敗したグロース市場250指数は、週末、一時昨年11月18日以来の水準まで下落するなどトレンドは弱い。25日移動平均線(25MA)、75日移動平均線(75MA)、200日移動平均線いずれも下向きとなったことから、投資家心理は悪化。時価総額が大きい主力株物色は手控えられ、短期資金中心の方向感に乏しい相場展開が続くと想定する。来週は決算発表やIPOなどのイベントもほとんど予定されておらず、プライム市場に関心が向かった場合、売買代金が1000億円を割り込む場面も見られそうだ。
投資対象として、主力株がさえない時は幕間的にバイオ関連銘柄が動意付くケースが多いことから、今週弱かったスリー・ディー・マトリックス<7777>、サンバイオ<4592>、ノイルイミューン・バイオテック<4893>などに短期資金が向かう可能性はある。