1. 中長期成長戦略
Orchestra Holdings<6533>は、M&Aの活用によって既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、成長性・収益性の高い新規事業領域へ投資することで「創造の連鎖」拡大を目指すことを基本方針としている。中長期的な目標としては、主要2事業(DX事業とDM事業)のオーガニック成長、M&Aの活用、新規事業の貢献により、2028年にEBITDA50億円、2033年にEBITDA150億円の達成を目指すとしている。
サステナビリティ経営に関しては、企業のDX化支援によるオフィスのエコ化実現、IT人材の育成、ダイバーシティ・多様な働き方推進、人権の尊重、ガバナンス体制の強化などの取り組みを推進している。なお役職員のインセンティブを目的として2022年4月に有償ストックオプション(第4回SO)を発行した。
2. 株主還元策
同社はM&Aや新規事業領域への成長投資により株主価値の継続的向上を目指しており、株主還元については成長投資とのバランスを取りながら実施していく方針としている。この方針に基づいて、2023年12月期の配当は2022年12月期比1.00円増配の10.00円(期末一括)とした。配当性向は20.7%となる。そして2024年12月期の配当予想は2023年12月期比1.00円増配の11.00円(期末一括)とした。
3. アナリストの視点
同社は、M&Aを積極活用することによって成長基盤の構築と既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、技術融合やシナジー創出を推進することでマーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指すとしている。DXやDMといった成長市場にフォーカスして事業展開しており、M&Aによるシナジー効果を勘案すれば中長期成長ポテンシャルが大きいと弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)