6.「進化活動」
「進化活動」は、「しくみ作り」「人づくり」「しかけ作り」を通じて、同社だけでなく取引先の生産性向上も推進する取り組みである。「しくみ作り」では、商流の一貫化(サプライチェーン)、物流の共同化(ワンストップ化)、情報流の共有化(ダイレクト化)に取り組む。
中期計画では、このうちDX、教育・研修、ネットワークづくり、機能充実を特に推進する方針である。DXでは従業員の職種別DXと「新ACOS※」によるプロセス改革・自動化・AIの導入、教育・研修では従業員層別のハイブリッド教育、ネットワークづくりでは「OPS」や「HOPE」の拡張と普及、取引先とのデータ交換、機能充実では川上物流の取り込みやシステム販売、海外での積算などに取り組む。これにより「OPS」で年間10%成長、「HOPE」の参加では150社・1,500人を目標とし、2028年3月期に1人当たり生産性を12%強改善する方針である。
※ ACOS(Advanced Comprehensive Operating System)とは、NEC<6701>のメインフレーム製品のブランド名で、独自設計のメインフレーム本体とオペレーティングシステム(OS)からなる。
「HSDGCG活動」など各戦略を通じ「ベストカンパニー」を目指す
7.「HSDGCG活動」
従来同社はESGやSDGsへの対応を重視してきたが、独自の取り組みである「HSDGCG活動」で、Health、Society、Digital、Green、Comfortable、Globalの6つの分野に注力する方針だ。「Health」では、テニスなどスポーツや医療機関によるサポートを通じCSR活動・育成活動に取り組み、健康企業(ホワイト500)の認定を目指す。「Society」では、地方自治体と協業した地域貢献や産学連携、業界貢献を推進し、きわだつ中堅企業を目指す。「Digital」では、社内や取引先間、業界全体の効率化、生産性向上など自社開発システムなどを通じたDXに取り組み、「DX認定」を取得するなどスマートカンパニーを目指す。「Green」では、環境・設備機材の販売はもとより、社内のゼロエネルギー化や再生可能エネルギーの活用など新しいビジネスモデルのグリーンカンパニーを目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)