*15:05JST 三機工業 Research Memo(5):2020年3月期第2四半期の営業利益は前年同期比183.3%増(2)
■業績動向

2. 財務状況
三機工業の2020年3月期第2四半期末の財務状況は、流動資産は115,368百万円(前期末比25,973百万円減)となったが、これは主に受取手形・完成工事未収入金等の減少28,929百万円などによる。固定資産は53,235百万円(同744百万円減)となったが、これは主に大和地区の再開発が終了したことで有形固定資産の増加が一服した一方で、投資その他の資産が748百万円減少したことなどによる。
この結果、期末の総資産は168,603百万円(同26,717百万円増)となった。

流動負債は64,503百万円(前期末比26,814百万円減)となったが、これは主に支払手形・工事未払金等の減少23,551百万円などによる。固定負債は13,951百万円(同280百万円減)となったが、これは主に長期借入金の減少695百万円、退職給付に係る負債の増加149百万円などによる。この結果、期末の負債合計は78,454百万円(同27,094百万円減)となった。純資産合計は90,149百万円(同377百万円増)となったが、これは主に配当金支払いによる利益剰余金の減少2,100百万円、消却による自己株式の減少2,413百万円などによる。

3. キャッシュ・フローの状況
2020年3月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは5,369百万円の収入となったが、主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上3,613百万円、売上債権の減少29,496百万円で、主な支出は仕入債務の減少23,810百万円でなどであった。
投資活動によるキャッシュ・フローは584百万円の支出であったが、これは主に有形固定資産の取得による支出1,375百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは3,184百万円の支出であったが、主な支出は長短借入金の純減額695百万円、配当金の支払額2,383百万円などであった。

この結果、2020年3月期第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末から1,554百万円増加し、四半期末残高は44,865百万円となった。

4. STeP計画の完了
同社は、2017年3月期から保有不動産である三機大和地区(三機大和地区ビル及び旧大和事業所地区)を主とした土地・建物の再開発プロジェクトを実施してきたが、この上期でこれらの計画が完了した。

まず2018年5月に旧大和事業所跡地の一部を日本生命保険に対して土地賃貸を開始したが、2019年10月からはすべての土地(4万平方メートル)の賃貸を開始した。また2018年10月に「三機テクノセンター」が全館オープンし現在稼働している。
2019年9月には大和プロダクトセンターが本格稼働し、これによりSteP計画は完了した。今後これらの設備の活用で、生産性向上による売上総利益率の改善、不動産事業の売上増が期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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