■要約
アイエックス・ナレッジ(IKI)※は、独立系の中堅システムインテグレーターである。IT戦略提案、IT化推進などのコンサルティングからシステム開発、検証、保守・運用までのシステムのライフサイクルに対応する一貫したサービスを提供する。
※同社の略称はIKI(IX Knowledge Inc.)で、企業コンセプトのInformation & Knowledge Innovationともリンクしている。
1. 業績動向
2021年3月期第2四半期の業績は、売上高が前年同期比3.2%減の8,462百万円、営業利益は同17.5%増の399百万円、経常利益は同18.6%増の427百万円、四半期純利益は同28.1%増の285百万円と、各利益は2ケタ増益となった。売上高では、システム開発・運用案件の売上高が増加したものの、前年同期の大型プロジェクト収束の影響を補うまでには至らず、全体として減収となった。システム開発案件では、車載組込みシステム開発が堅調に推移し、総合物流企業や化学メーカー、化粧品メーカーにおいて受注が拡大した。
2021年3月期の業績予想については、売上高で前期比3.1%増の18,017百万円、営業利益で同2.0%増の800百万円、経常利益で同1.8%増の842百万円、当期純利益で同3.6%増の561百万円とする期初予想を据え置いている。
2. 成長戦略
同社の中期的な成長にとって、クラウド化の進展は大きな追い風となる。クラウドサービスの成長のドライバーとしては、効率性(コスト)、セキュリティ、技術革新対応力、柔軟性などの基本機能において優れる面があるが、2020年に入ってからはコロナ禍による働き方の変化が影響している。
3. 株主還元
同社では、株主還元に関して経済環境の変動が激しいことから、安定配当を第一とし、業績や将来の見通し、配当性向、配当利回り等を総合的に勘案し配当を決定する方針である。過去に遡ると、減益となった年もあったが、1株当たりの配当金は維持または増配を行ってきた。2021年3月期は、普通配当15円(前期同額)、配当性向26.6%を予想する。
同社は東証JASDAQ市場に上場しているが、東証本則市場への市場変更を目指している。
■Key Points
・産業・サービス、金融・証券、情報・通信向けのシステム開発が主力。車載組込みシステム開発や第三者検証サービスなど多様な案件に参画
・2021年3月期第2四半期は2ケタ増益。事業基盤の強化や販管費抑制が寄与
・2021年3月期は増収増益予想。車載組込みシステム開発やクラウド移行案件などで受注拡大を目指す
・コロナ禍でのDX需要を受け、デジタル化への営業体制・開発体制を強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《YM》