8日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比165.51ポイント(0.90%)安の18313.86ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が69.95ポイント(1.07%)安の6456.72ポイントと続落した。売買代金は1286億5540万香港ドルとなっている(7日は1134億2370万香港ドル)。


指標発表前に買いが手控えられる流れ。中国ではあす9日に4月の貿易統計、11日に同月の物価統計が公表される予定だ。内容を見極めたいとするスタンスが強まっている。米中対立の激化も警戒。米商務省は7日、華為技術有限公司(ファーウェイ)向けに米企業が半導体などの製品を輸出する許可を取り消したと公表している。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。
中国景気の持ち直し期待も根強く、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、本土不動産の下げが目立つ。龍湖集団HD(960/HK)が7.6%安、碧桂園服務HD(6098/HK)が5.7%安、華潤置地(1109/HK)が5.2%安で引けた。メーデー連休中(1~5日)の不動産販売が前年比で47%減少するなど、業況の不透明感が続いている。そのほか、ビールメーカー大手の百威亜太HD(1876/HK)が3.8%安。1~3月期決算の減益が嫌気された。


自動車セクターも安い。小鵬汽車(9868/HK)が6.1%、東風汽車集団(489/HK)が3.1%、長城汽車(2333/HK)が2.6%、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が2.8%ずつ下落した。

中国の保険・証券セクターもさえない。中国平安保険(2318/HK)が3.8%安、中新華人寿保険(1336/HK)が3.6%安、中国人寿保険(2628/HK)が2.5%安、海通証券(6837/HK)が4.1%安、中信証券(6030/HK)が3.9%安で取引を終えた。

半面、石炭セクターはしっかり。中国中煤能源(1898/HK)が4.9%高、エン鉱能源集団(1171/HK)が4.2%高、中国神華能源(1088/HK)が1.6%高と値を上げた。


一方、本土市場は3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.61%安の3128.48ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。ハイテク株、消費関連株、素材株、インフラ関連株、医薬株、公益株なども売られた。半面、石炭株は高い。銀行株、海運株も買われた。


亜州リサーチ(株)