レビュー

著者は、都内で「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとしたクリニックを運営している医師だ。メンタルヘルス支援活動を行う中で、日々、さまざまな「生きづらさ」を抱える人たちに向き合っている。


著者はそうした活動を通して、他人や社会が決めたルールにNOを言えず、自分のルールを曲げてまで受け入れている人が多いことに気づいたという。彼らは我慢を続け、心身ともに疲弊している。その先に幸せはない。
では、他人のルールに縛られず、自分のルールで、自分の物語を生きるためにはどうしたらいいのか。その答えは、「NOと言える人になる」ことだ。
「NOと言える人になる」ことは、わがままに生きること、自分勝手に生きることとは違う。
あくまでも目指すべきは、他人とフェアな関係をつくることだ。
本書では、NOと言える人になるための人間関係の見直し方や職場の人間関係の捉え方、そして時間とエネルギーを再分配する方法などが紹介されている。さらに、NOを言う勇気を持つための自己肯定感の育み方や幸せのつかみ方にも言及されている。
誰しも、NOと言うのは怖いものだ。しかし、一度言ってしまえば案外、平気だったりもする。まずは目の前の嫌なことから逃げたり、不本意なことを拒否したり、合わないことをやめたりすることから始めてみよう。
そうすれば、自分らしい生き方ができるはずだ。

本書の要点

・他人や社会が決めた価値観やルールから解放され、自分の人生を取り戻して幸せに生きるためには、人間関係を見直す必要がある。
・生きづらさを軽減するためには、「ラインオーバー」(=誰かの境界線を侵害すること)したりされたりしないようにすることが効果的だ。
・自分に合わないものややりたくないことには、NOと言おう。そうして生まれた時間を、自分を喜ばせることに使うべきである。



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