レビュー

組織におけるマネジメントは普遍的なテーマであり、時代や目的とともに変化を遂げていく。では急成長するベンチャーではどんなマネジメントが求められるのだろうか? ベンチャー特有のマネジメントのあり方を深堀りしていくのが本書だ。


安定成長志向で事業基盤が強い組織と、急成長志向で事業基盤が弱いベンチャー。両者では、マネジメントに求められる能力は全く異なる。そう語る著者は、DeNAにてマネジメントスキルを極め、その後ハウテレビジョン社を上場に導いた人物である。現在は株式会社EVeM社の代表を務めており、ことベンチャーのマネジメントに関して右に出る者はいないだろう。
著者が開発した「マネジメントの地図」にはマネージャーの役割やピープルマネジメントの技術などの実践的なフレームワークが網羅されており、その納得度の高さは圧巻である。相応のボリュームがあるが心配はいらない。
「マネジメントの地図」を用いれば、俯瞰してマネジメントを捉えられるようになり、ポイントが頭にスッと入ってくる。
マネジメント職に就いている方はもちろん、マネージャーをめざす方、特にベンチャー志向の組織に身を置く方におすすめしたい一冊だ。今後増えていく「イーブンな関係」のマネジメント技術を習得するのにぴったりだ。これから進むべき方向を指し示す羅針盤となってくれるにちがいない。

本書の要点

・大企業とベンチャー、異なる環境でキャリアを積んだ著者は、同じマネージャーでも求められる役割が大きく異なることに気付く。その後、著者はベンチャーにおけるマネジメントのノウハウを体系化した「マネジメントの地図」を開発した。


・マネジメントの地図は「役割」「基本動作」「ピープルマネジメントの技術」「立ち位置と心得」という4つの項目から構成される。マネジメントの地図を活用すれば、地位や権力が通用しない現代でも強い組織マネジメントを実現できる。



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