レビュー

このたびの新型コロナウイルスによる自粛要請を受けて、テレワーク(リモートワーク)の機会を増やした、あるいは新たに始めたという方も多いだろう。なかには、十分な準備や心構えもないままテレワークに移行したという方もいるかもしれない。


そろそろテレワークに慣れてきたと同時に課題も見えてきたという時期に当たるのではないだろうか。そんなタイミングにぴったりの本が登場した。あらためてテレワークのメリットとデメリットを整理し、自分たちの組織・チームのなかで、その位置づけを見直す際に格好の一冊だ。
1992年、著者が入社した外資系IT企業では、テレワークはすでに普通に実施されたという。以来独立するまで23年間、そうした環境で働き続けてきて実感するのは、「どこにいても、どんな方法でも、仕事ができる人はできる」ということだという。つまり、テレワークであろうとなかろうと、仕事の本質は変わらないのだ。
とはいえ、テレワークにはいくつかの心構えやスキルが必要なことも事実である。しかも、多くの仕事はチームで行うものなので、共通のルールを決めて、合意しておかなければならない。仕事の成果をアピールする仕方も工夫する必要がある。経営者やマネージャー層は特に、本書をガイドラインにして、自分たちに合ったテレワークのやり方を見つけていただきたいと思う。また、個々人が仕事の価値を高め、周囲に伝えていくためのヒントも多数得られるだろう。

本書の要点

・テレワークには次の3つの力が必要である。

1つ目は「セルフマネジメント力」。すなわち、高いメンタリティを維持し、時間管理や目標管理ができる力である。
・2つ目は「マルチコミュニケーション力」である。これは、多様な人に対して、適切なツールを選んで、報連相、プレゼンテーション、ファシリテーション、交渉などを円滑に行う力を意味する。
・そして3つ目は、自分の仕事の成果を公正に、かつ的確にアピールできる力、「成果の見せる化力」である。



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