レビュー

人と話をしているとき、ふと会話が途切れ、気まずい沈黙が訪れてしまったことはないだろうか。そんなとき、何事もなかったかのように、あっという間にその場をフォローできるトークスキルを持つ人は、本当にすごいと思う。


しかし著者によれば、単に高いトークスキルがあれば、コミュニケーションが成立するわけではないのだという。自分が好きなことだけをしゃべって自分だけが満足するのは、コミュニケーションではない。ただの会話(カンバセーション)なのだ。
本書によると、営業であれば、自社の話だけをする営業担当者は顧客の心をつかめないという。メリットを与えないと人は動かないからだ。相手を動かすためには、自分が「相手軸」でいる必要がある。
つまり、笑顔で話を聞き、相手の「褒められたい」「認められたい」という欲求を満たすこと。必要なのは話を聞くことなのだ。究極的には、自分がしゃべらなくてもコミュニケーションをとることは可能だし、円滑な人間関係を構築することもできるのである。
人から好かれるためには、「話が面白い人」ではなく、「話して気持ちのいい人」になればいい。本書はそんな、「相手軸」に立って話を聞く技術を教えてくれる。もしかしたら、しゃべるのが苦手な人のほうが、信頼関係を築きやすいのかもしれないと思えてくる一冊だ。
今まで「話すのが苦手」だと思ってきた人でも、コミュニケーションに自信が持てるようになるだろう。

本書の要点

・無理にしゃべろうとすると、かえってうまくいかないものだ。コミュニケーションでは、「しゃべらない時間」こそがカギとなる。
・あなたがしゃべらずとも、相手の話を傾聴する姿勢を示すだけで、相手は信頼を寄せてくれる。
・コミュニケーションにおいて、「自慢する」「否定する」「優位に立とうとする」の3つは絶対にやってはいけない。



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