レビュー

「将来は起業して何か社会の役に立つビジネスをしたい。」「自分も何かひとつのことに心を燃やせたら素敵だな。」
……とは言うものの、そもそも何をすればいいのかわからない。うまく行かなかったらと思うと怖気付いてしまう。

そんなモヤモヤを抱えたビジネスパーソンは少なくないかもしれない。
本書を読めば、起業経験ゼロの著者がTシャツ起業家として事業を大きく成長させるまでの軌跡を辿ることができる。起業相談や将来への不安といった相談に対し、著者が一問一答形式で回答している。リアルな疑問に著者が率直に答えてくれている。
著者の実家は農家で、子どもの頃はよく手伝いもしていた。しかし娘の将来を心配した母親に将来安泰な道を進むようにと育てられた。農業とはまったく異なる道を歩み始めていた著者が、何をきっかけに農業の世界に舞い戻り、新規ビジネスを立ち上げ成功するに至ったのか。堅実な未来へと突き進んでいた一人のビジネスパーソンが、己の使命を見つけて果敢に挑んでいく──。
いまや産直ECサイトとして大きく成長した「食べチョク」を見ると、自分には手の届かない別世界の話だと感じるかもしれない。だが本書を通じて等身大の著者を知ると、起業は何も雲の上の出来事ではないと知ることができる。それ相応の覚悟は必要だが、やりたいことがあるなら絶対にやったほうがいい。将来のことで悩んでいる人や起業にいま一歩踏み切れないでいる人にとって、大きな力となる一冊だ。

本書の要点

・「農業は儲からないのよ」と母に言われて育った著者は、DeNAに入社。そこで自ら立てた企画を実行する楽しさを知った。
・自慢だった実家の農地が荒れ果てているのを目の当たりにしたショック。そして「農業は儲からないから子どもたちには継がせたくない」という農家の人の心の内を知り、著者のなかに農業にかける熱い思いが芽生えた。
・やりたいことは見つかってもなかなか起業には踏み切れない。そんなとき、知人の言葉が背中を押した。「いまやらなかったら、きっと一生やらないね」。ここからTシャツ起業家の物語が始まる。



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