レビュー

今すぐやったほうがいいのはわかっているけれど、なんだかやる気が起きない……このような葛藤は、誰しも一度は経験したことがあるだろう。
本書の著者も、「こうなりたいな」という希望があるのに行動に移すことができず、自己嫌悪の日々を送っていたという。

そんな著者を変えたのは、脳科学・心理学との出合いだ。
ジムに行くか自宅でトレーニングするか迷っているうちに時間が経ってしまった。仕事に集中しているときにかぎって話しかけられ、用件が終わって作業を再開しようと思っても、ついネットニュースを見てしまう――。本書ではこうした「先延ばし」を取り上げ、脳科学・心理学の知見をもとに、具体的な解決法をわかりやすく提示している。
たとえば、作業を再開しようと思ってもついネットニュースを見てしまう人には、「10秒コマンドメモ」の作成がおすすめ。戻ってきたときにやることをメモに書き出し、パソコンのマウスの上に貼っておくのだ。
そうすれば、再開後にすべきことが明確になり、すぐ集中モードに入っていける。
本書で紹介されるコツは、「結局、最後は本人のやる気次第」という根性論的なものでも、「本当にそんなにうまくいくの?」と疑ってしまうような理想論的なものでもない。どれも科学的で、「きっとうまくいく」という確信がもて、しかも今日から試せるものばかりだ。「すぐやる人」になりたい人は、ぜひ本書でヒントを得てほしい。

本書の要点

・物事をつい先延ばしにしてしまうのは、能力や性格、やる気の問題ではない。現状維持をしようとする脳の仕組みが原因である。

まず行動して、脳のスイッチを入れよう。
・なかなか動けないときは、10秒だけアクションしてみよう。ランニングを始めたいなら、シューズを履くだけでいい。
・人生をより豊かにするためには、不満や不足という課題をなくす「ゼロベース行動」だけでなく、満足感や達成感を得られる「プラス行動」が欠かせない。



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