レビュー

本書の著者、佐久間宣行氏はテレビプロデューサーとして「ゴッドタン」や「あちこちオードリー」といった人気番組を生み出してきた。パーソナリティを務めるラジオ番組「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」にも多くのファンがいる。


ただ、テレビの仕事をしているからといって「自分の仕事とはまったく違う」「参考にならない」と思うのは尚早なのがこの本だ。
佐久間氏は、実は業界に飛び込んですぐ「自分は芸能界もテレビ界も苦手っぽい」と気づいたという。実際、苦労も多かったそうだが、それでも懸命に工夫を重ね、現在のポジションを手に入れた。そうした蓄積をもとに、本書には「入社当時の絶望から20年以上かけて僕が身につけた作戦の数々」が詰め込まれている。
印象的なエピソードを一つ紹介しよう。入社1年目、佐久間氏はドラマのアシスタント・ディレクターだった。雑用ばかりの日々に不満を抱いていたある日、監督から、翌日の撮影で使う「サッカー部の女子マネージャーの手づくり弁当」を用意してこい、と言われる。ほとんど画面には映らない小道具だが、依頼された以上、なんとか用意するしかない。
さて、ここで佐久間氏はどのように行動し、これをチャンスに変えたのか。ぜひその答えを要約で確認してほしい。この経験をきっかけに、雑務が「佐久間の仕事」に変わり、仕事がおもしろくなったという。
誰でもすぐ使える仕事術が詰まった本書。
新人からベテランまで、楽しみながら結果を出したい人に読んでほしい一冊だ。

本書の要点

・だれにでもできる仕事だからといって、決して手を抜いてはいけない。小さな仕事も、工夫次第で「自分にしかできない仕事」になり、信用とチャンスにつながる。
・会議直後の5分間が1週間後の自分の評価を変える。すぐに要点整理とアウトプットをして、次回の会議に備えよう。
・チームを壊しかねない問題児がいるときは、「封じ込め」作戦が効果的だ。



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