レビュー
身体の不調の予防やケアにはストレッチやリハビリ、トレーニングがある。同様に、心の不調のケアにもリハビリやトレーニングが存在することは知られているだろうか? その1つが認知行動療法だ。
再評価は日々の出来事や、困った状況に遭遇した際に、「嫌な感情を、なるべくよい感情に変えていく」方法だ。「これまでずっとネガティブ思考だったから変わるわけがない」と反発する人もいるかもしれない。だが、著者が紹介する再評価の方法や事例を知ると「自分にもできるかも」と考えが変わるはずだ。
著者は小児精神科医であり、脳神経科学を研究するハーバード大学医学部准教授を務め、三児の母でもある。研究結果やエビデンスを紹介しつつ、日常生活の中でよく現れる「小さな生きにくさ」や、自己肯定感が失われてしまうような出来事にどう対応していくかを、丁寧に解説してくれる。
感情に支配されない過ごし方、レジリエンスを高めるヒントが満載の一冊だ。「どうしようもないことばかり考えてしまう」「嫌な気持ちばかりの自分が嫌になる」。こういったネガティブな感情との向き合い方が変わっていくだろう。自分とまわりの大事な人の心を守るためにお読みいただきたい。
本書の要点
・「リアプレイザル(再評価)」は、不安や緊張といった感情のコントロールに有効な認知行動療法の一つだ。
・ネガティブな感情を抱いたとき、「感情」「考え」「行動」に分けて再評価すると、認知の歪みに気づきやすく、楽な気持ちになれる。
・自分の感覚に正直になる勇気を持ち、自分の弱さを受け入れ、自分の持つさまざまな強さに気づく。このことが自分の心を守ることにつながる。
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