レビュー

誰しも「勉強ができるようになりたい」と思ったことがあるだろう。保護者や教育者であれば、子どもが勉強をできるようになるかどうかは大きな関心ごとだ。

勉強ができる子とできない子の違いはどこにあるのか。
多くの人が経験的に感じているように、知能には遺伝的要因が関係する。本書はそれを認めながらも、個人の努力や環境の影響も大きいと指摘する。同じくらいの能力を持っていても、それを活かせる子と活かせない子がいるというのだ。さらに、学業成績は、知能の高さよりも学ぶ力があるかどうかにかかっている。だったら、子どもの持つ力を最大限伸ばすにはどうしたらいいのか気になるところだ。

本書は、知的能力を意味する「認知能力」だけでなく、教育界で注目され始めている「非認知能力」、そして今後注目されるであろう「メタ認知能力」の3つの視点から学ぶ力を解説していく。たとえば、勉強ができるようになるには忍耐ややる気が必要だが、これは「非認知能力」次第だという。逆境にあっても困難にめげずに忍耐強く取り組む力は、頑張らなければ手が届かない目標に向けて努力することで育まれる。そして、勉強でもなんでも、がむしゃらに取り組むことで潜在能力が開発され、取り組んでいく物事への適性が増していくのだそうだ。
こうした勉強への取り組み方は、子どもに関わる人だけでなく、自分自身が何か習得したい人にとっても希望がもてる情報だ。何かを成し遂げるときの取り組み方を知りたい方に広くおすすめしたい一冊である。

本書の要点

・知能や学業成績は、自分の力で伸ばすことができる。勉強をできるようにするには、「認知能力」「非認知能力」「メタ認知能力」から成る学ぶ力を伸ばすことが大切だ。
・いくら知的能力が高くても、やる気や忍耐力がなければ学力は向上しない。これを支えるのが、非認知能力である。
・勉強の理解度ややり方の効率化を図るために必要なメタ認知能力は、小学校中学年ごろから発達していく。



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