レビュー

誰だってミスをしたことがあるはずだ。しかし、仕事の場では「だからミスは仕方ない」というわけにはいかない。

ほんの些細なミスが、大きな損失につながることは少なくない。ミスのせいで余計な仕事が増え、周囲からの信頼を損ない、心身ともにぐったりしてしまう。ミスをしたいと思ってする人はいないが、なくしたいと思って簡単になくせるものでもない。それがミスというものだ。
本書は、ビジネスパーソン向けに「事務ミス防止」研修を行っている著者が、ミスをしてしまう人がミスをしない人に生まれ変われるようにという思いで書いた一冊だ。かくいう著者も、これまでに数えきれないほどのミスや失敗をしてきたという。
新卒で入社した保険会社ではミスを頻発、「仕事ができない」と言われて左遷されたことさえあるというから驚きだ。
ミスをしてしまう人の気持ちを痛いほど理解している著者だからこそ、ミスを起点にすれば誰でも成長することができるというその言葉には説得力がある。本書は、仕事の進め方の根幹である「段取り」「スケジュール管理」「コミュニケーション」「書類・メール」「しくみ作り」「生活習慣」「リカバリー」に分けて、ミスしない人になるための仕事の技を紹介していく。まずは自分がミスを起こしやすい状況をチェックして、それを防ぐための技を取り入れてみるとよいだろう。

本書の要点

・「ケアレスミス」「段取りミス」「コミュニケーションミス」の3タイプのよくあるミスを防ぐには、予防策を講じることが重要だ。
・すぐやるべき仕事を後回しにしてミスを起こさないためには、優先順位を正しくつける必要がある。

重要度と緊急度の両方が高い仕事を最優先にしよう。
・「はじめて」「ひさしぶり」「変更」の「3H」の状況ではミスが生まれやすい。いつも以上に入念に準備して、所要時間を多めに見積もっておきたい。
・ミスをしたときにやってはいけないのは、「隠すこと」「嘘をつくこと」「言い訳をすること」の3つだ。



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