レビュー

ピーター・F・ドラッカーは、1909年にオーストリアのウィーンで生まれ、2005年にアメリカのクレアモントにて95歳で亡くなった。ナチス政権下で職を失い、1933年にイギリスに移住。

その後アメリカに渡った。若い頃からナチズムを批判し、『経済人の終わり』などを著した。自らを社会生態学者と称し、組織と社会の関係を探究してきたことで、「マネジメントの父」とも呼ばれる。その著作はいまなお世界中で読み継がれている。
要約者もその著作から多くの学びを得てきた一人である。「企業の目的は顧客を創造すること」「マネジメントの本質は知識を生産的にすることにある」「知識社会では知識労働者が自ら生産手段を所有する」。こうした世の常識を覆し、物事の本質を突く言葉に大いに啓発された。
本書では、ドラッカーの名言から、仕事や組織運営に生かせるものを選りすぐり、その背景や要諦を掘り下げて解説する。具体的には「仕事学」という観点から、「自己実現」「組織論」「ビジネスマインド」「マネジメント」「変革とイノベーション」という5大テーマで整理している。
著者はドラッカー学会共同代表理事と公認会計士を務めており、日本におけるドラッカー研究の第一人者の一人だ。そんな著者の渾身の想いが込められた本書は、ドラッカーの知をマネジメントや自己修養に生かしたい人にとって格好の手引き書となるだろう。

本書の要点

・ドラッカーは自らの仕事ぶりの評価を仕事に組み込んでいた。

強みや得意分野に力を集中させ、そうでないものを省くことを重視したためだ。
・ドラッカーを読む意味とは、本質的な視点を取り込み、原理原則に従いながら自己変革をすることである。
・自らの強みを社会のために生かし、経営者やマネジャーがその強みを公益のために結びつける必要がある。



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