レビュー

「フォートナイト」や「マインクラフト」をやらないかと誘われるけれど、ネットゲームはハマりそうで怖い。ゲームはいつも、のめり込んだら後戻りできないアリ地獄のように言われてしまう。

悪いのは、本当にゲームのほうなのだろうか?
さまざまなプラットフォームで進化しつづけているゲームは、ストレス解消や気軽なエンタメとして幅広い人が楽しんできた。全世界における「インターネット使用者の10代~40代の8割以上がゲームをしている」ことを示す調査もある。
そんなゲーマーのなかには、「ゲームに費やした時間を他のことに使えていればという後悔」を抱く人も少なくない。なにせ、1日平均2時間ゲームをすれば、1年で700時間も「ムダにしている」ことになるのだから、そう感じるのもやむを得ない。そうしてゲームはすぐに悪者扱いされてしまう。
しかし、そこでゲームから完全に離れてしまうことは、「逆効果どころか、心のリスク」につながるそうだ。アメリカ食品医薬品局(FDA)が、高血圧やADHD、うつ病などの治療法として認可しているゲームがあるという。本書は、ゲームは脳に良い影響を与えることを示す科学的エビデンスをこれでもかと紹介する。
適度な距離感で、ゲームの効用をしっかり得るためにはどうすればよいのか。すでにゲームにハマっている人も、近しい人のゲーム依存が気になっている人も、ゲームとはまったく無縁だった人も、目からウロコの情報ばかりに違いない。

本書の要点

・「ゲームをプレーすることで、脳自体が変化し、脳の機能がアップする」ことは科学的に実証されてきている。
・暴力性を高める、集中力を下げるとするゲームについてのネガティブな影響は、「都市伝説」といえる。

ただし、ゲームのやりすぎには気をつけなくてはならない。
・人間のモチベーションのベースとなるのは、「人とのつながり(関係性)」「自分が何かできるという感覚(有能感)」「自分が決断したことを自分の意志に則ってやっているという感覚(自律性)」の3大欲求が満たされることだ。ゲームはそれにうってつけである。



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