千鳥の勢いが止まらない。8年ぶりに復活した「すぽると!」(フジテレビ系)で新キャプテンに就任し、コンビの民放レギュラーは10本に。

大悟(44)は、芸能活動を休止中のダウンタウン松本人志(60)の「酒のツマミになる話」(同)で代替MCを務めており、さらに4月は「大悟の芸人領収書」と「開演まで30秒!THEパニックGP」(ともに日本テレビ系)が同時スタート。大悟づくしの1時間という、異例の編成となっている。


 今月29日には、「テレビ千鳥」(テレビ朝日系)の初イベント「テレビ千鳥初ライブ コケたら即終了 幕張メッセ 押さえちゃったんじゃ!!」が幕張メッセイベントホールで開催。6000人の動員予定で、特典グッズ付きのアリーナ席は1万3000円、一般席は1万円と強気の価格設定だが、すでに予約枚数に達している。


 千鳥は民放、NHK、ABEMA、Netflixも制する、いまや“テレビエンペラー”だが、仕事はギャラより関係性、内容重視で選ぶ。それを実証するのが、テレビ埼玉制作の「いろはに千鳥」。

同番組は、2014年の東京進出後初の冠レギュラー。独立地方局ゆえに、ギャラは今の千鳥の相場を大幅に下回るが、2人は降板しない。この10年間で「いろはにちどらー」と呼ばれるファンを増やし、関連イベントは常に盛況。22年と23年には、TVerの総再生回数が多く、発展に寄与した番組に贈られる「TVerアワード」で特別賞を取った。


 この賞は、関西ローカル番組の「相席食堂」(ABCテレビ)も4年連続で受賞。同番組は千鳥が街ブラする「いろはに千鳥」と異なり、日本各地を訪れた有名芸能人が地元の人とふれあうVTRを、千鳥がスタジオで「ちょっと待てぃ!!」ボタンを押しながらモニタリング。

安定した人気を得ている。


「TVerによって地方局、ローカル番組が全国で見られるようになって、千鳥の人気・知名度が爆発しました。でも、それ以前から関西では“ロケ芸人”千鳥のポジションは確固たるものでした。2人が東京に拠点を移して、関西でそのポストに収まったのがダイアン、かまいたちなすなかにし銀シャリ。いずれも成功したことで、その礎を築いた千鳥が再評価されはじめています」(エンタメライターの伊藤雅奈子氏)


 ユーチューブとテレビの兼業芸人が増えるなか、大悟はSNSを通じた自己発信を一切しない。初の冠レギュラーを大事にする義理人情の厚さに加えて、その武骨さも千鳥の妙味といえよう。