フジテレビ第三者委員会の報告書によって、中居正広氏(52)の性暴力に続く類似事案が明らかになっていくなか、これまで泣き寝入りしていたハラスメント被害者が声をあげる「日本版#MeToo運動」へとつながっていくような動きが業界内に出てきた。


 BSフジの番組「プライムニュース」のキャスターとして知られる反町理氏(現在は出演見合わせ中)、常務取締役だった石原正人氏に対してハラスメント行為があったと調査委が認定し問題になったが、情報番組「Live News イット!」司会の元NHK青井実アナウンサー(44)が同局社員やスタッフに対し不適切な言動を行っていたとし、フジテレビは「二度と同様な言動がないよう」と申し入れたことを9日発表。

さらに同日、3月末に終了した深夜バラエティー「オールナイトフジコ」では出演者の未成年飲酒が報じられたことを受け、公式サイトに謝罪文を掲載した。


「中居氏の性暴力認定によって、社内外の空気が明らかに変わった気がします」と、フジテレビ関係者がこう言う。


「映画監督という立場を使い、演技指導を名目に性暴力を行ったとして2024年2月に凖強姦容疑で逮捕された榊英雄氏を実名告発した女優の睡蓮みどりさんのように、フジテレビだけでなくテレビ業界でも、ハラスメント被害にあった女性らが被害告発する可能性がいま業界内で取り沙汰されています。現場では静かな緊張感が高まり、そこここで疑惑や監視の目が向けられていますし、まだ公になっていない過去の問題がどこまで掘り起こされるのかと戦々恐々の向きが噂されています」


 調査委報告書で「有力な番組出演者」とされたのが石橋貴明(63)で、石橋が10年以上前、フジテレビ女性社員に対して、飲食店で下半身を露出させるセクハラを行っていたと報じられた。


「石橋に関しては、セクハラ常習者であることが番組視聴者にも広く知られていました。にもかかわらず、フジテレビが必要な措置を何も講じず、やりたい放題のような状況が続いていたのですが、今回は被害者による告発があって調査委の報告書で取り上げられたのでしょう。中居、石橋と類似事案はまだまだ出て来てもおかしくないと見られています」


 そう、同じ関係者は付け加えた。


■「挨拶がない」と出演話が反故にされたり、「枕営業」を求められたり


 女優らを抱える某芸能プロ社長はこう言う。


「カメラの回っているときと、回っていない時の落差が大きいタレントへの『挨拶』がなかったとして、番組出演話を反故にされた女性タレントとか、いわゆるイイ人のイメージで知られるようなタレントへの『枕営業』を暗に求めるような要求をTVスタッフが事務所にしてきたりと、芸能界はそういうセクハラやパワハラ、ハラスメントが昔も今も横行していますからね。被害者置き去り、泣き寝入りの事案はごまんとあります。フジテレビの風土がいま問題になっていますが、それらは業界全般なのです」


 石橋の所属事務所はフジテレビ第三者委からのヒアリング打診に対し、「病気療養の準備のため対応できなかった」と説明し、セクハラ疑惑への対応はしていないが、疑惑追及はその後も続き報じられている。そうした姿もあり、身に覚えのあるタレントや関係者はいつ自分の名前が出てくるかと、ビクビクしているはずだ。


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 これぞ酒池肉林といったところか。関連記事【もっと読む】「容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった」では、フジテレビの堕落ぶりについて伝えている。


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