国民的アニメ「クレヨンしんちゃん」初の実写化となる「20年後の野原家」を描いたショートムービーが物議を醸している。同企画は、日本コカ・コーラ社「やかんの麦茶」CMによるもので、25歳となった野原しんのすけを高橋文哉(24)が、父・ひろしをお笑いトリオ「ネプチューン」原田泰造(55)が、母・みさえを麻生久美子(46)が、それぞれ演じている。

動画は4月9日から同社HPなどで公開された。


 だが、2009年に登山中の不慮の事故で亡くなった原作者の臼井儀人氏は、大人になったしんのすけの顔を出さないというこだわりを持っていたことが広くファンに知られており、今回の実写化CMに対し、《生前の臼井先生のご意向を知るいちファンとして、この広告に対して嫌悪感を抱きます》《臼井先生が、亡くなったのを良いことにやりたい放題は嫌だな…》と、原作を尊重しないやり方だと批判的な見方が強まっている。


■過去にはグリコの「サザエさん」、トヨタの「ドラえもん」の実写化CMも


 過去には、カツオ役に浅野忠信(51)、ワカメ役に宮沢りえ(52)、タラちゃん役に瑛太(42)、イクラちゃん役に小栗旬(42)らを起用したグリコのCM「磯野家の25年後」、ドラえもんをジャン・レノ(76)、のび太を妻夫木聡(44)、しずかちゃんを水川あさみ(41)、スネ夫を山下智久(40)が演じたトヨタのCMシリーズが話題となったが、ここ数年間で、実写化CMに対する寛容さは損なわれてしまっているようだ。


「今年2月から放送を開始したちびまる子ちゃんの実写CMとなるサントリー『ザ・プレミアム・モルツ』の『プレモル子ちゃん』シリーズも、たまちゃんを演じる伊藤沙莉さんがイメージに合っていないといった指摘が相次ぎました。実写化CMが増えたことで、視聴者も厳しい目を向けるようになった印象です」(広告代理店関係者)


 臼井氏没後である2010年公開の映画「クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」では、大人のしんのすけが登場するも、臼井氏の意向が尊重され、アクション仮面のマスクをかぶり、顔を見せることはなかった。


 こうした背景もあって、今回の実写化CMは、原作者の意向に背くものとして原作ファンが敏感に反応してしまったようだ。


「野原しんのすけは"永遠の5歳児"という印象が強く、臼井先生もそのイメージを守るためにも、大人になった姿を描くことをしないというこだわりを見せていたのだと思います。またキャスティングにおいても、高橋さんがイケメンすぎて、《大人のしんちゃんを国宝級イケメンの高橋文哉くんが演じるのは、流石に無理がある》と指摘も目立ちます。アニメの実写化CMの場合、その作品を実写化しないといけない必然性のある商品やCMの内容であるかどうかも、ファンは厳しくチェックするでしょう。原作の人気に便乗したいというスポンサー側の安易な発想そのものに、批判が起こりやすい傾向もあると思います」(同)


 国民的人気と認知度が高い作品やキャラクターであればあるほど、受け入れられない人の母数も増えてしまうのかもしれない。


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 高橋文哉といえば、その共演者キラーぶりが話題だ。関連記事【もっと読む】永野芽郁も小芝風花も本田翼も撃沈…“女優キラー”高橋文哉とドラマ共演する関水渚は大丈夫?…では、その“撃墜王”ぶりを伝えている。


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