元タレント中居正広氏(52)の性暴力にはじまったフジテレビ問題で、親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は4月30日、2025年3月期の連結決算で最終損益が201億円の赤字に転落する見通しを発表した。98億円の黒字予想から一転したもので、2008年に認定放送持株会社に移行して以来、初めての最終赤字となる。
一連の記者会見などを現場で取材する経済記者が解説する。
「撤退ドミノが続いていたスポンサー状況は4月単月で約90社と回復傾向にはありますが、前年度の約400社には遠く及びません。6月下旬の株主総会へ向け、大株主であるダルトン・インベストメンツなどが現経営陣の大幅刷新を求め、社外取締役の選任を株主提案していますが、次期経営陣の人選次第では、総会が紛糾する可能性も指摘されています」
フジテレビはきのう1日、朝の情報番組「サン!シャイン」でFMH金光修社長とフジテレビ清水賢治社長(64)が4月30日に総務省を訪問したこと、フジテレビが人権・コンプライアンスについて8つの再生・改革案を発表したことなどを伝えた。改革案には、同社が40年以上掲げてきた企業スローガン「楽しくなければテレビじゃない」からの脱却などが盛り込まれている。
「日枝久氏が編成局長時代にこのキャッチコピーを打ち出して『オレたちひょうきん族』や『笑っていいとも!』といったバラエティで視聴率トップの黄金期を築き上げました。フジテレビの根幹、『憲法』と呼ばれるほどの社是だったからか、清水社長は『それを全部捨てるのかと思われるかもしれませんが、そういうわけではありません』と否定してました」(前出記者)
そして番組司会の谷原章介はこう言った。
「さまざまな改革案にはアナウンス室の独立であったり、編成の下にあったバラエティー部門を変えたりとあり、金光社長ご自身、『長く同じ人が続けることはよくない』と、ご自身が辞めることで(改革への第一歩を)示した。一定の評価がまわりからされるのかなとも思いますし、6月の株主総会がどのようになるか注目です」
■日枝チルドレンばかりの現経営陣
だが、フジテレビの内情を知る某広告プロデューサーはこう言う。
「金光さんのみならず、現経営陣は日枝チルドレンで、日枝氏のお気に入りばかり。局アナ接待文化をつくりあげたドン日枝氏が会見もコメントもなく、退任発表のみだったことからして、日枝氏への配慮が伺えます。
改革案発表の上層部と、内部の見方は随分違うようだ。
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