最近バラエティー番組で活躍している芸人といえば……錦鯉・長谷川雅紀(53)、みなみかわ(42)、きしたかの・高野正成(35)、ナダル(40)。彼らの共通項といえは「ハゲ」&「おじさん」。
「斎藤さんだぞ?」のトレンディエンジェルがM-1グランプリで優勝したのが2015年。ボケの斎藤司(46)は、当時「若ハゲ」を専売特許に女子高生にももてはやされたが、今は、「ハゲ」は、オーバー40のおじさんど真ん中の芸人たちに変わりつつある。「〇〇おじさん」という形容も流行っているが、なぜこれほど重用されるようになったのか。
背景には「容姿イジリ」問題の影響があようだ。女性芸人が容姿イジリをきっかけにコンビ解散し、容姿イジリはアンタッチャブルなものになっていた。ぼる塾のあんり(30)は番組で「(ぽっちゃりキャラが)強みなのに言っちゃいけない雰囲気になっていて、もどかしい」と明かしているが、女性の容姿に言及することは非常に厳しくなっているのが現状だ。そんな中のハゲ需要である。元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏がこう言う。
スキンヘッドのほうがボサボサ頭のおじさんよりも清潔感があって、かわいい
「ハゲは客観的事実で、ブルース・ウィリスのようなカッコイイ、セクシーを表現するホメ言葉でもあり、自分でハゲをネタにされるのであれば決してネガティブでもないし、他人も不快に思わない。容姿イジリに代わる新たな枠になっている。ある意味イジリ枠芸人の最後の砦ではないでしょうか」
さらに「おじさん」というトッピングが好条件なのだという。
「スキンヘッドのほうがボサボサ頭のおじさんよりも清潔感があって、かわいいに転じやすい。年齢を重ねてスキンヘッドになり、ハゲと自虐的に表現できるようになった経緯が、上からモノを言うおじさんよりも低姿勢で、フレンドリーな印象を与え、人格的にもプラスに影響している。話題も必然的に暗くはならず、明るくなる。まさにハゲを公言することが強み、ハゲ×おじさんの時代到来です」(鎮目氏)
ハゲおじさんの未来は明るい。
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バラエティ番組でもハッピーな話題がますます好まれるようになっているようだ。 関連記事【もっと読む】あご勇さんが今のエンタメ界を憂う「“体を張れない”芸人も地上波バラエティーも遅かれ早かれ消えていく」…では、あごいさむ氏が今のエンタメ界について語っている。