ピンチヒッターで「コメ担当大臣」に起用された小泉進次郎農相だが、21日の就任初日から各方面で不安の声しきりだ。環境相時代の「セクシー」発言など、弁舌爽やか、でも中身スカスカ、意味不明な語り口は、「進次郎構文」と呼ばれる。

進次郎大臣が首相官邸で記者団に囲まれた際に、「さっそく炸裂した」とネット上で話題になった。


「普段、キロ数で言うとお米をどれくらい買われているのか?」


 記者のこの質問に進次郎大臣はこう答えたのだ。


「いろんなお米を買いますね。息子も娘もまだ小さいので、時短であげなきゃというときは、パックご飯も買います」


 購入しているコメの「量」を聞かれているのに、「いろんなコメ」「パックご飯」って……。質問と答えが噛み合っていない。


■一夜にして180度方向転換


 独特の「進次郎構文」は、農水省内に早くも混乱を招いているという。


「就任早々、職員らが大臣から『君は改革派? 保守派?』と聞かれ困惑し、答えに窮したそうです。いろいろ説明しても、大臣の理解力が乏しいのか、理解したくないのか、なかなか分かってもらえず、職員らが既に疲弊しています」(農水省関係者)


 22日は新旧大臣の事務引き継ぎ式があったが、メディアには引き継ぎ書を手渡す場面を撮らせただけで、それぞれの発言は公開しなかったという。


 江藤前農相は、農協や農家など生産者に寄り添う典型的な農水族議員。かつて「農協解体」に手をつけようとした進次郎氏は農協の“敵”みたいなものだ。大臣が一夜にして保守派から改革派に180度変わったことも、省内を混乱させている。今月下旬に予定されていた4回目の備蓄米入札を中止し、随意契約のしくみを検討するなど、コメ農政は従来方針から一変することになった。


「きれいに舗装した道路を壊して、逆方向に新たな道路をつくるようなものですから、本当に大変です」(別の農水省関係者)


 農水省は長年、自民党の農水族との“協調関係”で農政を動かしてきた。それが今のコメ高騰とコメ不足を招いているのだから、政策の失敗と言うしかないが、農水族のドンは森山幹事長だ。


 大臣か族議員か、どっちを向いたらいいのか──。農水省職員らの苦悶の日々は続く。


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 小泉進次郎氏の農相就任で妻・滝川クリステルにも注目が集まるが、反応はイマイチのようで…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


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