自民党の裏金事件をめぐって27日、旧安倍派幹部で2人目の参考人招致が実施された。衆院予算委員会に呼ばれたのは、下村博文元文科相。
下村氏は無所属で出馬した昨秋の衆院選(東京11区)で落選。再起を図るため、SNSなどで「ぜひ出席したい」と前のめりだった。「衆院政治倫理審査会などでも説明した」と反対した自民側は「今さら何を話すのか」と警戒したものの、何のことはない。デタラメを繰り返しただけだった。
質疑の焦点は還流再開を要求したか否か。松本氏は公判や今年2月の参考人聴取で「22年7月末にある幹部から要望があり、8月の幹部会合で再開が決まった」「今は現職ではない」という趣旨の証言をしている。しかし下村氏は「〈再開をしろ〉と申し上げたつもりは全くない」と否定し、こんな言い訳を並べた。
「指示したのが私であれば一番権限があった、会長だったということになるが実際そうではない」
「還付要望があるのは幹部の共通認識だった」
■一方では新証言も
一方で「還付を求める派内の声を6月下旬に松本氏と安倍会長に電話で伝えた」「〈このことがあるね〉と7月下旬に松本氏に電話連絡した」と新証言。総理を目指し、会長を狙っていたのは周知の事実だ。
政界引退した塩谷立元文科相は松本氏の聴取後、「私が発言してきたことと松本氏の発言が一致しており、整合性はとれている」とコメントした。認識は食い違うが、下村氏は「私も塩谷氏も松本氏も世耕(弘成)氏も西村(康稔)氏も嘘をついていない。認識の齟齬がある」とゴマカした。
「次期総選挙で返り咲きを狙う下村氏はミソギ目的で出てきただけ。立憲民主党の野田代表は内閣不信任案提出に後ろ向きですが、そうは言っても政界、一寸先は闇。少数与党政権が会期末に解散・総選挙を打つ可能性はゼロではありませんから」(与党関係者)
どうりで公明党議員の質問には行儀が良かった。「政倫審に続き質問いただきありがとうございます」と相好を崩し、揉み手せんばかりで、公明票欲しさがミエミエ。こんな輩にバッジを着けさせられない。
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企業・団体献金の見直し議論は今国会も成果ゼロ。規制が1ミリも進まないまま、参院選に突入する見込み。