「首都決戦」の号砲が鳴った。


 22日投開票の東京都議選(定数127、42選挙区)が13日告示された。

結果は参院選に直結するだけに、各党が火花を散らす。目下、小池都知事一派の都民ファーストの会と、コメ対策で走り回る小泉進次郎農相に頼り切りの自民党とのガチンコ対決が予想される。なぜなら、イケイケだった国民民主党が“沈没”したからだ。


「もともと、議席ゼロの国民民主の躍進が予想されていたが、ここへきて山尾志桜里元衆院議員の参院選擁立取り下げ騒動で政党支持率はガタ落ち。当初、『11』としていた目標議席を、7日付の日経新聞のインタビューで都連会長が『5』に下方修正。さらに、10日付の都政新報では都連幹事長が『まずは1議席』と、さらにハードルを下げた。もはや埋没寸前です」(都政関係者)


 結果的に、37人を擁立する小池一派が浮かび上がりそうだ。


「旧来の自民支持層が自民にお灸を据えたい場合、少し前なら国民民主に票が流れていたはず。今の状況では選択肢になりづらい。ただ、都議選の場合、自民も国民民主もイヤな有権者の受け皿として、都ファが浮上するというわけ。善戦する可能性が高まっています」(都政記者)


 一方、42人を立てる自民は裏金問題がくすぶるが、進次郎効果で息を吹き返しつつある。そのため、“劇場型政治”がお得意の小池と進次郎の両氏がしのぎを削る展開が想定されているのだ。



女帝は「聖地」から応援スタート

 “女帝”小池都知事は鼻息が荒い。13日は、衆院議員時代の選挙区に含まれる豊島区の池袋駅から応援スタート。都ファ顧問で作家の乙武洋匡氏、代表の森村都議、小池知事と近い高際豊島区長が駆け付ける“総力戦”である。


「池袋は知事にとって『聖地』と言えます。平日は公務の合間をぬって応援に入り、土日も精力的に選挙区を回るつもりです。都ファの議席を増やせれば、都政運営がスムーズになりますし、自らの存在感も示すことができる。今回は相当、気合が入っていますよ」(都ファ関係者)


 自民は石破首相が告示日の「第一声」を見送った。「関与し過ぎて議席を減らしたら責任論になりかねない」(自民関係者)ことが原因だという。進次郎氏も初日の応援入りは避けたようだが、今後はガンガン表に出てくる可能性が高い。自民の都連関係者が言う。


「そりゃあ、あれだけコメ対策で目立っているのだから、皆、進次郎さんに応援に来てほしいと思っている。既にオファーも行っていますよ。

自民にはプラス要素は彼しかないわけだから、何としてでも引っ張り出す。じゃないとボロ負けですからね」


 都ファ幹部は進次郎氏をこう牽制する。


「進次郎さんは必ず表に出てくるだろうが、裏金議員の選挙区に入れるだろうか。将来的に総理総裁を目指す彼にとって、裏金議員の応援はイメージ的にマイナスだ。どの選挙区に入るのか、今から見ものですね」


「首都決戦」は“劇場化”必至。有権者は冷静に投票を判断すべきだ。


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