参院選の前哨戦に位置付けられる東京都議選(22日投開票)が13日、告示された。127議席を巡り、全42選挙区に295人が立候補。

4年前の271人を上回り、現在の定数になった1997年以降、最多となった。


 都議会自民党の裏金問題がくすぶる中、焦点は、小池都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」が自民から第1党の座を奪還するか否か。自民は42人、都ファは37人を擁立している。


「自民は小泉進次郎農相の備蓄米放出による“劇場型政治”のおかげで持ち直しつつある」(都政関係者)といい、出回っている情勢調査を比較しても優劣つけがたい。


「全員当選」を掲げる都ファが、拮抗する自民との差をつけるために掲げた売り文句のひとつが「水」だ。小池氏が先月発表した水道基本料金の4カ月間の無償化である。


 きのう都ファ執行部は、豊島区のJR池袋駅前から選挙戦をスタート。小池氏が自民党の衆院議員時代に地盤にしていたホームグラウンドだ。都ファ代表の森村隆行都議(青梅市)は「水道料金基本料の4カ月分の無償化を知事に即断していただき、実現が決まりました」と猛アピール。街宣車にはデカデカと「今夏の水道基本料無償化」と書かれていた。


 マイクを回された小池氏は、横に並ぶ本橋弘隆都議(豊島区)の経歴に触れて「アメリカンフットボールの主要選手でございました」と紹介。これに引っかけて「都議選で見事なタッチダウンを決めてもらおうじゃありませんか」と呼びかけたが、軽くスベっていた。


 肝心の集客は、街頭演説会の開始直前まで告知しなかったからか、現職知事の“神通力”をもってしてもイマイチ。小池氏のイメージカラーである緑色のベストやシャツを羽織ったマダム集団を合わせても、聴衆は100人程度だった。



国民民主党・玉木代表は開き直り演説

 選挙戦はさながら「コメ将軍vs水の女帝」の図式だが、この戦いに割って入ろうと企んでいるのが、不倫騒動と何かと縁がある玉木雄一郎衆院議員が率いる国民民主党だ。初の議席獲得を狙い、18人を擁立。ただでさえ「良くて2ケタ議席に届くかどうか」(前出の都政関係者)なのに「山尾問題」で大炎上中。参院選比例代表に擁立した山尾志桜里元衆院議員の公認内定を取り消し、機能不全の党執行部も猛批判にさらされている。


 玉木氏は13日、八丈島で第一声を終えると、大田区のJR蒲田駅前でマイクを握った。区部では初めての街頭演説だったが、「山尾問題」に関しては「いろいろお騒がせして申し訳ありません」とひと言で片付け、「改めて原点に立ち返る機会をいただいたと思っています」「私たちの原点は『対決より解決』です」と開き直った。


 演説後、フリー記者が再三にわたって「なぜ山尾さんの名前を出さなかったのか」と問いかけたが、玉木氏はガン無視。


 そんな狭量で、口達者な進次郎氏や小池氏に太刀打ちできます?


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 都議選では石丸新党「再生の道」も注目されるはずだったが、スタートすると意外な展開に…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


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