いよいよ立場が危うくなってきた。


 参院選千葉選挙区で当選した国民民主党・小林さやか議員を支援していた同党の岡野純子衆院議員。

小林氏とは無関係の比例候補に交付された街宣用の「標旗」を流用した選挙違反疑惑で、党からクビを切られる可能性が高まっている。


 標旗とは、候補者が街頭演説する際に必要な選挙の「七つ道具」のひとつだ。選挙区で出馬した小林陣営には1枚しか交付されないが、岡野議員が比例候補に6枚交付される標旗の1枚を流用。事実上の“2馬力選挙”になっていた。これを問題視した自民党千葉県連が、24日に公職選挙法違反容疑で千葉県警に告発状を提出。受理されたことで緊張感が高まっている。


 玉木代表は29日の会見で「捜査に全面的に協力して事実関係を明らかにし、厳正に処分したい」と神妙な面持ちで発言。当初は「厳重注意した」としか言っていなかったのに、トーンが厳しくなっている。


「告発を受け、SNSでは批判が続出。玉木さんはSNSをよく見ていますから、影響されたのでしょう。『離党勧告』もあるのでは」(国民民主関係者)


■標旗使用は「錯誤」でなく「故意」だった疑い


 玉木代表が事態を重く見るようになった理由は他にもある。岡野議員が党にウソをついていた可能性があることだ。


 岡野議員は選挙期間中、標旗流用の理由をSNSで「錯誤」と釈明。「錯誤の疑いを党内から指摘され、直ちに(標旗の)使用を取りやめるとともに、SNSからも削除をした」と投稿していた。確かに岡野議員は不正な標旗を掲げる写真をSNSに上げた後、即座に削除。ところが、日刊ゲンダイの調べで、陣営は削除以降も同標旗を複数回使っていたことが分かった。「錯誤」でなく「故意」だった疑いがあるのだ。


 その点を日刊ゲンダイが22日の会見で玉木代表に問うと「把握していない」と困惑の表情を浮かべていた。


「岡野さんは党の聞き取りに対し、本当のことを言わなかったのではないか。党内では、処分を軽くするため『一度だけ錯誤で使ってしまった』と虚偽の説明をしたと疑いの目を向けられています。真実を報告していなかったとしたら、玉木さんもかばい切れないでしょう」(国民民主関係者=前出)


 岡野議員が標旗を故意で使っていた疑惑について、党本部に問い合わせたが「現在捜査中の事案となったものと認識しておりますので、コメントは差し控えます」と回答拒否。後ろめたいことがなければ、否定すればいいだけの話だが、問題の根はよほど深いのかもしれない。


  ◇  ◇  ◇


 岡野純子議員の一連の疑惑については、関連記事【もっと読む】などで詳しく報じている。


編集部おすすめ