昨年11月の知事選前後から、デマや誹謗中傷が問題となっている兵庫県政。29日の斎藤元彦知事の定例会見では、異様な現状を記者が問いただす場面があった。
記者によると、前回の会見で斎藤に批判的な質問をしてから、所属する報道機関にクレームが殺到。県政担当を外れることになったという。記者はネットなどで実名をさらされたうえ、誹謗中傷を受け、「こうして記者が萎縮すれば、職員や議員も萎縮していく。このままでいいのか」と斎藤知事に訴えた。
県職員へのパワハラ問題のほか、公益通報への対応や公選法違反疑惑をめぐり、斎藤知事には批判が集まっている。
県庁職員も対応に苦慮しており、県政の停滞を指摘する声が少なくない。
「斎藤知事が昨秋の出直し選挙で再選してからも数々の問題が明らかになり、県職員の不満は高まるばかり。県幹部の中には、斎藤知事と意思疎通を十分に取れなくなるほど、関係が悪化した人もいる。県庁でも斎藤派とアンチ斎藤派の分断が深まり、多くの職員が疲弊しています」(兵庫県政を取材する大手紙記者)
■不信任案提出は見込み薄
苛烈な誹謗中傷で、県議も消耗している。
「何かあればすぐ切り抜き動画をつくられてしまう恐怖心があり、議員の発言がトーンダウンしている。こんな状態で、健全な議論はできませんよ」(兵庫県議)
知事の“リコール”を求める県民の声が少なくないが、2度目の不信任案が提出される見込みは薄いという。
「県議からすれば、斎藤知事の再選がトラウマになっています。
対抗馬となる知事候補のめどが立っていないことも影響している。
「今度こそ勝ち切らなければなりませんが、斎藤知事を評価する有権者が一定数おり、それなりの候補を立てる必要がある。しかし、最大会派の自民党でも、適任者が見つかっていないようです」(前出の県議)
斎藤知事によって引き起こされた兵庫県政の混乱は、まだまだ続きそうだ。
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