参院選で事実上の敗北を喫し、執行部交代を余儀なくされた日本維新の会が「連立入り」をめぐり、ガチャガチャやっている。創設者の橋下徹弁護士がけしかける自公連立政権への参加について、本拠地の大阪勢はおおむね賛同。

国会議員を中心とする東京勢は自民党からのアプローチに相好を崩すものの、値踏み状態だ。どうやら同床異夢。お家芸と化した東西争いも見え隠れする。


 大阪府知事の吉村洋文代表は「お飾りとして温存」(維新関係者)と言われるほど求心力を失ったものの、続投が正式決定。7日、党所属の議員や首長ら特別党員による電子投票で代表選を実施しないことが決まり、信任された。再任を受けた会見で吉村代表は、「連立うんぬんは言うつもりはない」と言葉を濁しているが、どうなるか。


■橋下、松井両氏は「GOGO」


 連立入りを猛プッシュしているのは、吉村代表の後ろ盾の橋下氏。「松井一郎前代表もGOサインを出した」(永田町関係者)というからややこしい。橋下氏は参院選投開票翌日に出演した民放番組で、「政策実現が政治家の全てだ。構想を実現するため連立入りすべきだ」と主張。話題にもならなかったが、維新が参院選公約の2番手に掲げた重要政策「副首都構想」が念頭にあるようだ。住民から2度もノーを突き付けられた「大阪都構想」を衣替えした代物である。


 橋下発言に子飼い議員はすぐさま反応。橋下府政時代に知事特別秘書を務めた府議団長の河崎大樹府議が「構想実現の可能性が高まる方がいい」と同調し、副代表の横山大阪市長も「大きな願いがかなうならば、あらゆる選択肢を取るべきだという意見は、出てしかるべきだ」と前のめり。


「参院選の結果は厳しかったが、大阪(改選数4)は2議席を確保。自民党とは勝負がついた。国政での埋没を何とかしないとマズイ」(維新中堅議員)との焦りも聞こえる。


 一方、永田町では間もなく新体制が発足。8日投開票の共同代表選に複数立候補する中、藤田文武前幹事長が本命視されている。支えるのは馬場伸幸前代表や、自民の森山幹事長と近い遠藤敬前国対委員長など、旧執行部のメンバーだ。


「連立入り含みの自維交渉を担っているのは遠藤、藤田両氏。カジノの完全合法化のほか、原点ともいえる憲法改正をやりたいと腕まくりしている。かたや橋下、松井両氏の動きは昵懇の間柄の菅前総理への助け舟。石破政権の後見役を担い、自民党分裂を回避すべく策をめぐらす菅氏の思いをくんで、手勢を回そうというのです」(前出の永田町関係者)


 そんなこんなで退潮に歯止めがかかるんだろうか。


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