好事魔多し──。裏金議員にしてみれば、そんな展開かもしれない。
萩生田氏の変化が見られたのは、「両院議員懇談会」と題して1日に流したメールマガジン。石破首相の過去の発言を引用して続投をクサしつつも、〈全てが総裁のせいではありませんし、そのような事を言う仲間は一人もいません〉とも記述。〈戦後80年、鎮魂の時期に党内でごたごたが続く事は誰も望んでいません〉などと、トーンダウンしていた。
参院選から間もない先月25日に出したメルマガのタイトルは、ズバリ「出処進退」だった。〈驚く事に、石破総理は開票の途中で続投を宣言しました〉と非難。〈もちろん今日の衰退は総理一人の責任ではなく私も反省すべき点がある事は否めません〉としながらも、〈政治家の出処進退は自分で決める。私達が先輩から受け継いだ自民党の矜持と伝統は総理も共有していると信じます〉と迫っていたから、だいぶおとなしくなった印象だ。
萩生田がつくった裏金は2728万円で、反日カルトの統一教会(現・世界平和統一家庭連合)とも癒着。世間の自民嫌悪を広げた張本人が「石破おろし」を仕掛けること自体がトンチンカンなのだが、軌道修正の理由はほかにありそうだ。
■4人衆の上から目線にア然
「テレビ出演した前参院幹事長の世耕弘成氏が反発を招いているからでしょう。『安倍派5人衆』に数えられた萩生田氏、(前官房長官の)松野氏、(元経産相の)西村氏との会談内容を明かし、〈もう交代しなければいけないということは一致した〉と発言。『石破おろし』で動いていることをわざわざお茶の間に知らしめてしまいましたから」(与党関係者)
1542万円の裏金をつくった世耕氏は離党を強いられたものの、念願の衆院鞍替えに成功。テレビでは、会談した4人衆について「政治的経験が豊富だ。経験を次の政権で生かしてもらえれば、政治の安定に寄与できる」と例の調子で上から目線を全開させた。4人衆の裏金は締めて5421万円。世耕氏は党員でもない。ア然である。
石破首相に退陣を迫る面々が勝負どころに位置付ける両院議員総会は、8日午後2時半から。終了予定時刻から2時間半後、党本部前で「#石破辞めるな」と銘打つ前代未聞の激励集会3回目が計画されている。世間の常識が永田町の非常識を凌駕するかどうか。
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先月28日開かれた大注目の自民党「両院議員懇談会」。