異常事態だ。
静岡県伊東市の田久保真紀市長が7月31日に臨時会見を開き、自らの学歴詐称疑惑を受け表明していた辞意を撤回。
もともと市議だった田久保氏は、5月の市長選で現職を破り初当選。最終学歴を東洋大卒としていたが、疑惑を指摘され実際は卒業しておらず除籍だったと認めていた。この間、実態解明のために市議会が設置した百条委員会への出席も拒否。市議会は辞職勧告決議も全会一致で可決したが、居座る気満々のようだ。一度は辞職を表明していたのに、「やめへんで」状態になっているのだ。
「このまま行くと、市議会は不信任決議案を提出する流れになります。可決された場合、市長は失職か10日以内の議会解散を迫られる。常識では考えられませんが、市長は解散する気だ。すると、40日以内に市議選です。選挙後、新たな議会でまた不信任案が可決された場合、市長は失職する。どうあがいても最終的には辞めることになるはずですが、市長はあらゆる手を使って延命を図りたいようだ。
田久保市長の問題に絡めて小池都知事を批判する声が続出
市政停滞は必至だが、田久保市長の炎上が意外な人物に「飛び火」している。首都東京の“女帝”こと小池百合子都知事だ。小池知事は公式プロフィルでエジプトの名門・カイロ大の文学部社会学科を卒業したとしているのだが、かねて「学歴詐称」の疑いをかけられている。本人は「カイロ大が卒業を認めている」と疑惑を否定。ところが、エジプト留学時代の同居人が「卒業していない」と告発しており、くすぶったままだ。
「女性首長」「学歴詐称疑惑」という共通点があるからか、X(旧ツイッター)では田久保氏の問題に絡めて小池都知事を批判する声が続出。「緑のタヌキ、小池百合子も学歴詐称なんだよなぁ」「伊東市長の件で、逆に小池百合子知事の学歴詐称問題が再燃」といった投稿が続出。「小池百合子」がトレンド入りしたほどだ。
「6月の都議選で小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が躍進。自公を含め知事与党が過半数となり、本人は上機嫌です。ただ、気がかりなのは、議席を0から9に増やした国民民主党。知事と関係が良好なはずですが、都議のスタンスは反小池。
都議会で学歴詐称疑惑が再燃するのか。
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日刊ゲンダイDIGITALでは、【小池知事 カイロ大卒証明書「顔写真」の謎】と題し、“女帝”の学歴詐称問題を深掘りしている。関連記事【シリーズ初回】から読める。