7月28日、8月4日と2週にわたり「世界で一番怖い答え」(フジテレビ系)の第10弾が放送された。解答者は、一見すると普通の映像に思えるが、そこに隠された不審な点や意味をキャッチし、一番怖い答えを考察。
問題の監修は、フェイクドキュメンタリー「放送禁止」シリーズ(フジ系)の演出・長江俊和氏。同作品の大ファンであるくりぃむしちゅー・有田哲平が司会を務める。今回は、レギュラー解答者のみちょぱ(池田美優)に加え、ゴールデンボンバー・鬼龍院翔とタイムマシーン3号・関太が参戦。身の毛もよだつ出題が彼らを襲った。
例えば、2年前から交際中の彼氏・省吾と急に連絡が取れなくなったという女性の話。彼の勤務先を訪れると、どうやら辞めてしまったらしい。しかし、「実家に帰る」「旅行に行く」など同僚たちの証言は異なる。不審に思い、彼のアパートのベランダから部屋をのぞくも、もぬけの殻。警察に捜索願を提出すると、数日後に呼び出されることになった。と、ここで「この後警察官が言ったゾッとする一言とは?」と問題が提示される。
正解は「あなたですね、省吾さんのストーカーは」。
ここ数年は“令和のホラーブーム”を思わせる状況
「心霊番組が少なくなった」と言われて久しいが、2020年代に入って徐々に盛り上がりを見せ、ここ数年は“令和のホラーブーム”を思わせる状況が続いている。
今年7月には「口を揃えた怖い話」(TBS系)、8月には「(秘)衝撃ファイル【真夏の怪事件SP!謎の現象に襲われる新婚旅行…】」(テレビ東京系)などが放送されており、TVerでは夏限定の「ホラー・都市伝説特集2025」をスタートさせ、心霊番組やドラマ、アニメなど幅広いジャンルの“怖いコンテンツ”を配信中だ。
そんな中、もっとも現代らしさを感じさせるのがフェイクドキュメンタリーだろう。とくに7月放送の「魔法少女山田」(テレビ東京系)は、プロデューサー・大森時生氏が仕掛ける「TXQ FICTION」の第3弾として注目を浴びSNSを賑わせた。
前述の「世界で一番怖い答え」と共通するのは、ジワジワくるいやぁ~な感覚。それは、まるで長期不況や天災が続く日本のリアリティーを反映しているかのようだ。
(文=鈴木旭/お笑い研究家)