フジ・メディアHDは28日、傘下のフジテレビが港浩一前社長と、元専務取締役の大多亮氏に対し、50億円の損害賠償請求訴訟を起こしたことを明らかにした。


 港氏と大多氏は2023年6月、中居正広氏(53)と同社元アナウンサーの女性との間の問題について報告を受けたにもかかわらず、適切な対策を怠ったとされる。

これが取締役としての善管注意義務に違反しているとして、フジテレビは損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こした。今年6月末までに同社が453億円余りの損害を被ったことから、その一部として2人あわせて50億円という金額がはじき出されたという。


 ついこの間まで社長と専務だった人物に会社が50億円も請求したのはちょっと驚きだが、港氏も大多氏も自腹を切るわけではなく、実は痛くもかゆくもないのではないか……というのが、専門家の間での“常識”だという。


■“最後の砦”となり得る「役員賠償保険」の存在


 企業法務に詳しい「麹町パートナーズ法律事務所」の神戸靖一郎弁護士がこう言う。


「フジHDは、元取締役らが会社に損害を与えたとして株主代表訴訟を起こされているため、港氏と、大多氏を提訴したのでしょう。裁判では会社法423条1項に基づく両氏の『任務懈怠』と、損害賠償額との因果関係が争われていくことになりそうです。仮に両氏への50億円の請求が認められた場合でも、フジテレビが『D&O保険(会社役員賠償責任保険)』に加入していれば、賠償額を保険がカバーしてくれる可能性があります。企業役員が業務遂行に関して損害賠償請求を受けた際、その損害について保険金が支払われる損害保険です」


 ただし、D&O保険は、役員の「故意」による法令違反や詐欺行為には原則として適用されず、請求が認められないという。果たして、D&O保険は港氏と大多氏を救うことになるのだろうか。


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 港浩一氏といえば、今年、「静止画」の映像が話題になった。関連記事【もっと読む】「北朝鮮みたい」…フジテレビの会見を伝える各局のニュースが“静止画”で視聴者ドン引き…では、その「北朝鮮風味ぶり」を伝えている。


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