「ポスト石破」を争うレースが本格化してきた。 自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)をめぐり、小林鷹之元経済安保相(50)は16日の会見で正式に立候補を宣言するほか、林芳正官房長官(64)も会見して出馬表明する予定だ。

本命視される小泉進次郎農相(44)と高市早苗前経済安保相(64)も週内に会見する見通し。石破首相が退陣表明した翌日、イの一番に名乗りを上げた茂木敏充前幹事長(69)の存在感は低下するばかり。話題になるのは官僚がまとめた「トリセツ」くらい。何かと激高する茂木氏に対処するマニュアルだ。そもそも、党勢衰退を招いた戦犯がなぜまた手を挙げたのか。


 茂木氏は衆院で当選11回の大ベテランで、5人の中で最年長だ。小泉政権だった2003年に沖縄・北方担当相として初入閣し、麻生政権を除けばほぼ重用され、外相や経産相などを歴任。党務でも幹事長、政調会長、選挙対策委員長を担い、主要ポストをこなしてきた。


 裏金事件を受けて派閥解消が不可避となるまで3年間、悶着を起こしながらも茂木派(平成研)を率いたが、1年前の総裁選は9人中6位の惨敗。


 パワハラ気質はつとに知られている上、党ナンバー2の幹事長だったにもかかわらず、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との癒着も裏金事件もウヤムヤ決着を図って世論の怒りを増幅させたのだから、支持が広がるわけがなかった。


「人望に難はあるものの、かつての派閥の領袖ですから、実力者であることを誇示しなければ影響力を失ってしまう。出馬会見で中堅・若手の積極登用を打ち出し、進次郎やコバホークの名前を挙げたのは先を見据えた秋波です。

自信家の茂木氏とはいえど、勝ち抜けるなんて思っちゃいない。未経験の重要閣僚ポスト・財務相をやりたくてやりたくて仕方がないのです」(自民党関係者)


■「私のすべてを、この国に捧げたい」


 茂木氏は会見で「私のすべてを、この国に捧げたい」と殊勝だったが、もくろみ通りにいくのだろうか。1年前に「ポスト岸田」を争った旧茂木派の加藤財務相は今回、進次郎陣営の選対本部長に就くと報じられた。ともに後ろ盾は菅元首相だ。茂木氏とは「一致団結、箱弁当」はできない──。永田町や霞が関の共通認識か。


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 石破首相の後継を選ぶ自民党総裁選は5人の争いが確実。現在、高市早苗前経済安保相(64)と小泉進次郎農相(44)の一騎打ちの構図となっているが、どうなるか。●関連記事【もっと読む】『高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ』で詳報している。


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