多くのヒット曲で知られる兄弟デュオ「ビリー・バンバン」の兄、菅原孝さんが今月11日に肺炎のため都内の病院で死去したことが明らかになった。81歳だった。
1968年5月結成されたビリー・バンバンは翌年1月のデビュー曲「白いブランコ」が20万枚超のヒットを記録、“カレッジフォークの旗手”と呼ばれた。72年にはドラマ「3丁目4番地」(日本テレビ系)の主題歌「さよならをするために」が80万枚を超える大ヒット。同年のNHK紅白歌合戦に初出場を果たした。
そんな人気デュオの兄弟が同時期に大病を経験したのは、2014年のこと。弟の進さん(78)が先にステージ3の大腸がんを宣告され、しばらくして孝さんは脳出血を患った。母の介護で訪れた実家のトイレで突然倒れた孝さんは、その時のことについて「痛みはなかったのですが、手にも足にもまったく力が入らない。自分の体に何が起こったのかが分からないまま、ただ床に転がっていることしかできませんでした」と本紙のインタビューで語っている。
運良く進さんの携帯電話につながり、救急車で運ばれて一命を取り留めた孝さん。左半身にまひが残ったものの懸命にリハビリに努めた。そして大腸がんから回復した進さんと16年11月に復帰後初のCD「さよなら涙」をリリース。翌年には延期になっていた45周年公演も実現し、22年には「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」の挿入歌「ココロありがとう」を歌ってビリー・バンバンの健在を印象づけた。
「孝さんは84年に兄弟デュオを再結成した直後に知人の連帯保証人となり多額の借金をかぶる災難にも見舞われましたが、地道に活動を続けたことで07年には本格焼酎『いいちこ』のCMソング『また君に恋してる』の大ヒットにも恵まれました」(音楽ライター)
大好きなシェパードなど一時は5匹くらい飼っていた大の犬好きだった孝さん。
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ビリー・バンバンの弟・菅原進さんは2022年に日刊ゲンダイのインタビューに登場していた。関連記事【もっと読む】ビリー・バンバン菅原進さんと愛猫との出会い「引っかかれで一緒に暮らす覚悟ができた」…では、進さんと猫の生活について伝えている。