【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】
そう、この手の討論会って、数字を持ってるんですよ。みんなきっと"勝ち馬予想"が好きなんでしょうね。
①超コワイので有名な大物議員を、局の車寄せからスタジオまで案内した時に局内で道に迷い、その大物に「いったいいつになったらスタジオに着くんだね?」とスゴまれた。
②番組出演中にエキサイトしてスカートのお尻の部分が破れた有名女性議員が、廊下に置いてあった他番組の衣装のスカートを、僕が止めるのも聞かずに無理やりはいて国会に行ってしまったので、あとでめちゃくちゃ怒られた。
…ウームいま思い出しても背筋が寒くなる。まあ、僕が悪いんですけどね。
まあそれは置いておいて、こういう討論会ってどうしても「一部の有力候補」ばかりが発言することになりがちなんですよね。それを巡ってじつは番組サイドも「対立関係」になったりしがちです。誰と誰が対立するのかというと「プロデューサーvsディレクター・MC」という感じでしょうか。プロデューサーは、あとで政治部とか議員事務所から怒られたくないですから、できるだけ各議員に公平に発言してほしい。でもディレクターやMCは、できるだけ面白くしたいですから、話が盛り上がる有力候補にばかり話を振りたがる…
■有力候補ばかりが質問される構図、局内でも対立?
まあ、だいたい「ディレクター・MCの勝ち」ということになって、プロデューサーは怒られる覚悟を決め、有力候補ばかりが話すことになるわけです。ちなみに、テレビマンはだいたいこういう討論会をやると「誰が勝つか、誰が負けるか」は予想がつきますよね。
やっぱりテレビ的にウケがよさそうな人が大衆の心を掴むっていうことなんでしょうかね。映像ってウソをつけないというか…心にもないことを言ってる人はなんとなくそういうふうに映りますし、自信のない人は自信なさげに映るものです。あとやっぱり、いくら立派なことを考えていてもトーク力が欠けているとどうにも伝わらない。
結果、「テレビ的にオイシイ人。数字を持ってそうな人」が総裁になるものです。ホントにそれでいいのか…という問題はあると思いますが、まあそんなもんですよね。
(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)
◇ ◇ ◇
地方局の現状は一体どのようなものなのだろうか? 関連記事【こちらも読む】青森テレビ社長の”暴言”報道…地方局の現状はどうなってますか?キー局と経営の違いは?…では、地方の厳しい経済状況などを著者が解説している。