人気取りで右旋回を強める高市首相が掘った墓穴は底なしの様相だ。日本が最大の分担金を拠出するICC(国際刑事裁判所)をめぐり、米国のトランプ大統領が企む解体に中国も呼応。

高市首相の台湾有事答弁に端を発した日中の応酬はこじれる一方だ。トランプ政権が制裁対象に指定した赤根智子所長は見殺しにされかねない。


 米中によるICC解体をにおわせたのは、米国のパデュー駐中国大使だ。27日(現地時間)のFOXニュースのインタビューで、米国同様に非加盟の中国側と協議していると表明。詳細は明かさなかったものの、「彼らも脅威を認識しており、われわれとそれについて話し合っている」とした。


 ICCは2024年、パレスチナ自治区ガザでの戦争犯罪などを理由に、イスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状を発行。米兵への捜査・訴追を警戒する中、盟友を標的にされたトランプ大統領の怒りは収まらず、強硬手段に打って出た。ルビオ国務長官が今年7月に「米国の主権に対する脅威」と批判し、「すべての手段を用いて解体する」と宣言。8月に赤根氏らに制裁を加え、トランプ大統領は先週の国連総会の一般討論演説で加盟国に脱退を呼びかけた経緯がある。



米国によるICC潰しは中国には「渡りに船」

 赤根氏の窮状を「大変残念」で片づけ、猛批判を浴びた高市首相は挽回を画策。習近平国家主席の国賓訪米前にねじ込んだ日米首脳会談で「日本は一貫して支持している、また支持していく」と伝えたと胸を張っていたが、何のことはない。何度も「ドナルド」と呼びかけた高市首相に顔を背けたトランプ大統領は案の定、馬耳東風だったのだ。


 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう指摘する。


「米中がICC解体で協調するとなれば、非常にショッキングです。そうでなくても中国は2025年、香港に『国際調停院』を設立した。国際紛争を解決するという触れ込みの機関で、中国と経済的結びつきの強い国が加盟している。巨大経済圏構想『一帯一路』、国際金融機関のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に続くもので、国際秩序の作り手をにらんだ動きです。米国によるICC潰しは渡りに船。高市首相が国連演説で中国を念頭に国連憲章の『旧敵国条項』の削除に言及した直後、米中トップは〈第2次大戦の同盟国だった〉と蜜月をアピールした。高市政権発足から1年足らず。首相のひとり相撲で日本外交をここまで台無しにできるのか。ア然です」


 昨年6月に世に出た赤根氏の著書「戦争犯罪と闘う」が再びベストセラー入り。高市首相のデタラメが周知される日は近い。


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 米中接近にクギを刺したはずが、逆に「日本の軍国主義」が両国の絆を強める足がかりとなってしまった高市首相。

後先考えず中国憎しをエスカレートさせてばかりの自業自得か。関連記事【もっと読む】『トランプ大統領がハシゴ外し! 高市首相“押しかけ外交”の赤っ恥…「中国は大戦時の同盟国」発言で面目丸潰れ』で詳しく報じている。


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