2025年7月、関西国際空港に大規模なラッピング広告を展開し、メディア露出も多い中国に本部がある大手旅行予約サイトを巡り、利用者から不当な追加料金の提示があったことが明らかになった。

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 航空会社の都合によるフライトスケジュール変更に起因して、サイトを通じて予約した利用者に「フライト変更には2万円の追加料金が必要」と提示。
しかし航空会社のウェブサイトでは無料で手続きができたというものだ。情報弱者を狙った手口に疑念が呈されている。

 問題は、ある利用者が当該サイトでLCC(格安航空会社)のフライトを予約した際に発生した。航空会社の都合により当初のフライトスケジュールが3時間遅れると通知があり、この旅行サイトからは「新しいフライトスケジュールの了承」「予約のキャンセル」「フライト変更」の3案が示された。ところが、「フライト変更」を選択した場合、「追加料金2万円」が提示された。

 しかし、この利用者は過去に同じ航空会社を利用した際、フライトスケジュール変更に起因する、フライト変更であれば無料で手続きできることを経験上知っていた。そのため、旅行サイトの提示に不審を抱き、直接航空会社のウェブサイトを確認したところ、変更手数料が一切かからないことが判明。結果的に利用者は航空会社のWEBサイトで、追加料金を支払うことなくフライト変更を完了できた。

 今回の事例は、航空会社都合のフライトスケジュール変更に起因するフライト変更であれば、多くの航空会社が追加料金なしで対応しているという、利用者にとって有利な情報が、旅行サイトを介することで意図的に隠蔽され、不必要な追加料金を支払わされかねない実態を示唆している。特に、旅行慣れしていない層や、多忙な中で迅速な対応を求める利用者は、サイト側の提示を鵜呑みにしてしまう傾向があり、「情報弱者」を狙った悪質な手口と指摘されてもおかしくない。
【編集:LM】
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