フィリピン南部ダバオのトリル公設市場は、海の幸を求める買い物客の熱気に包まれている。中でもひときわ目を引くのが、この地ならではの規格外サイズの「マグロのカマ」だ。


その他の写真:マグロのカマ

 店頭に並ぶのは、日本のスーパーで見かける小ぶりなものとは比べものにならない巨大な塊。記者が手にした2つは合計3.5キロに達し、1つあたり約1.75キロ。エラ下から胸ビレにかけての希少部位がこれほどの重量になるのは、元の魚体が40~70キロを超える大型のキハダやメバチであった証しだ。

 店主が重厚な中華包丁を豪快に振り下ろすと、骨を断つ鋭い音が響き渡る。1.7キロの塊を3つに切り分けただけでも、一切れは500グラムを優に超える迫力。断面からは上質な脂が滴り、鮮度の高さを物語る。

 価格は1キロ220ペソ(約580円)と驚くほど手頃。炭火でじっくり焼けば、あふれる脂と濃厚な旨みが「肉」を凌ぐ満足感をもたらす。最後に店主がカメラへ満面の笑みを向ける姿は、ダバオの食の豊かさを象徴する光景だった。
【編集:Eula】
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