2023年12月12日から13日にかけて、習近平中国国家主席が国賓としてベトナムを訪問する。この訪問は、中国共産党第20回全国代表大会後の最高指導者による初のベトナム訪問であり、ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長の中国訪問からちょうど1年後になった。
この訪問は、両国間の様々な問題が解決方向に向かうのか、また、最近の南シナ海での中国のフィリピンへの攻撃・妨害との関連性を考察する機会となる。中国では様々な問題(健康、衛生、不動産開発会社のバブル崩壊、賃金未払いなど)が勃発しており、一時期の中国パワー時代は終焉を迎えそうだ。

その他の写真:中国政府WEBページから

 最近、南シナ海では、中国のフィリピンへの攻撃・妨害が増えている。特に、中国海警局の船がフィリピンの補給船に放水し、進路を妨害した事件が報告されている。これらの行動は、国際法にも違反する可能性がある。中国政府が何を言おうと、さびついたシエラ・マドレの周囲の海域は中国の領海ではないからだ。
オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は2016年、中国が領有を主張している南シナ海の海域(「九段線」とも呼ばれる)について、国際法上の根拠はないと明確な判断を下した。

 一方、ベトナムと中国は1,400kmにも及ぶ国境で接しており、経済的に深い関係がある。ベトナムにとって中国は輸入額で1位、輸出額で2位の貿易上で重要な国である。しかし、ここ10年の間で中国に対するデモや事件が数多く起こっている。特に両国が領有権を主張する南沙 (チュオンサ)諸島の問題は根深く、今後も大きな事件への引き金となる可能性がある。

 習近平主席のベトナム訪問は、これらの問題に対する中国の立場を明確にする機会のようだ。
しかし、具体的な解決策が提示されたかどうかは不明である。ベトナムと中国の二国間問題の解決は、両国のリーダーシップと国際社会の協力に大きく依存するだろう。今後の動向に注目が集まる。
【編集:af】