筆者はADHDなのですが、HSPの傾向もあります。3人家族の主婦でもあり、夫と7歳の子供と暮らしています。
それでも自宅のリビングは、今のところメディアで騒がれるような「典型的な汚部屋」ではない状態をキープしています。お世辞にも整理整頓された家とは言えませんが、床に物はない状態です。
とはいえ物が落ちていないのは籠に放り込んでいるからにすぎず、ウォークインクローゼットやパンドリーには足の踏み場がなく、引き出しの中はグチャグチャです。それでも上っ面だけは「普通の人の家」を死守しています。今回は「ADHDでもなんとか人が呼べる状態を保っている工夫」を、ご紹介したいと思います。
我が家が「散らかっているけど汚部屋まではいかない」状態をキープできている要因としては、ざっくり三つの理由が考えられます。
1,配偶者がADHDではない
2,たまにお掃除を外注もしている(年2回、換気扇やエアコンや風呂場のエプロン下、キッチン周りなど)
3,自分で工夫をしている
1と2はADHD当事者の工夫ではないので、今回は3のうちのひつとをご紹介します。
常日頃より、片付けや整理整頓は諦め、「物理的にものを減らす」ことに注力しています。一番役に立っているのは、ありがちではありますがやはり「定期的に手放す」作業だと思われます。

■ビニールバッグに入れてリサイクル業者に送る
独身時代、実家に住んでいた頃は物が捨てられず、母が処分してくれていました。今はダイソーで巨大なビニールバッグを買って来てクローゼットに3つくらい置いてせっせと放り込んでは定期的に手放しています。
物が多いなと思ったタイミングで「いるかいらないか分からないもの」を見つけることを日課としており、「リサイクルできそうか」「厳しいか」に分けて放り込んでいます。
ちなみに3つ目は「とりあえず箱」で、「ブランド物だが少し汚れている」とか「お下がりにあげられそう」など瞬時にどちらに入れるか判断できないものを投げ入れています。
そこで時間をかけて何かを考えてしまうと、永遠に仕分けはできません。気を散らせて他のことをしたら最後「自分がなにをしていたか」を忘れてしまうため、「◯◯ちゃんにお下がりであげられそう……そうだ、ラインをしてみよう」と流されると、戻ってこれない傾向があります……。
ビニールは
ファスナーがあり
50cm×46cm×25cm
くらいの大きなものです。
そこに入れてしばらくたてば、「ああ本当にいらないんだな」と手放す決心がつきます。保管期間としてはおよそ一ヵ月くらいですが、順次投げ入れているので厳密な基準はありません。
「リサイクルできそうなもの」については、メルカリに出す気力もない時は、「送料のみで引き取ってくれるリサイクル団体・もしくは少額の寄付金で引き取ってくれる団体」に送っています。
160サイズくらいなので、送料は1600円~2000円くらいかかりますが、送り終わったあとのすっきり感はくせになります。

生来の猫好きなので、いくつかある送り先の中では、売上を動物愛護団体に寄付してくれる「オレンジスリフティー古着チャリティー」がお気に入りです。
個人的には「猫のため」と思えばやる気が出て、不用品箱から「売り物にならなそうなもの」を抜き出す作業にも熱が入ります。(抜き出したものは「猫もいらないものだし」と思うとサッと捨てられます)
また、ADHDにありがちな「衝動買いしてしまったけど似合わなかった服」なども、「新品タグ付きだから売れそう。
●オレンジスリフティー古着チャリティー
●生活雑貨のリサイクル リサイクル生活ぷらざ
●いいことシップ
■子供のぬいぐるみは専門の団体へ
ぬいぐるみは映画『トイ・ストーリー2』を見てから、よりいっそう捨てづらくなりました。それでも、「リサイクル」だと考えれば「いいことをしている気分」になり、やる気がアップします。
なお、工作などは「大切なもの以外は写真を撮って捨てる」方法をとっています。母の日にもらった「ママの絵」など現物を残しておきたいものはダイソーの「ジッパーファイル」に「ママキープ」「とりあえずキープ」というテプラシールを貼って入れておます。物をなくしやすいので、何を仕舞うにしろ「中が見える透明な入れ物に入れる」ことは必須になります。

ぬいぐるみやおもちゃ、人形を捨てる基準としては衣類や雑貨と同じ。やはり大きなビニールバッグを買って、そこに放り込んで子が存在を忘れた頃に捨てています。大切にしていたものは、本人にて「小さなお友達にあげていいか」を確認します。(そのためビニールバッグはクローゼットや寝室に多く存在します)
個人的な感覚ではありますが「目がついているもの」を捨てる時は情がわいてしまい、上記のリサイクル業者ではなくぬいぐるみ専門の団体を選ぶこともあります。
●ぬいぐるみ寄付・無料回収なら国際貢献のリボーン
●セカンドライフ
● KIFU
■お守りや形見などはお焚き上げサービスを利用
また「思い出のお雛様」や「形見の品」や「お守り」など、さらに手放しづらいものは、有料ですがお焚き上げをしてくれるサービスも利用します。
● みんなのお焚き上げ
● 倉留寺
コースによって値段は変わりますが、神社などに行く手間がはぶけて便利です。
■まとめる段階で頓挫する場合は専門家の手を借りる方法も
もちろん「捨てればいいじゃん」という合理的な考え方ができれば、送料ももったいないので、普通に廃棄するという方法がてっとり早いと思います。
また時折りADHDの「片付け方」についての記事を書いた際に、「それができれば苦労しない」という声をいただくことがありますが、上記のような対応ができている時点で、もしかしたらADHDの症状の中で「片付けられない」傾向が軽度なのかもしれません。
ちなみに重度なのは「不注意傾向で」で、医療機関にも相談しています。片付けに関しても、もしゴミに埋もれるなど「身の危険を感じた時」は、すみやかに専門家や医療機関に相談することが、安心・安全への近道だと思っています。
「ADHD 片付け相談」というワードで検索すると複数ヒットしますが、特性を理解してくれるカウンセラー・お片付けスタッフに手を借りることで、「自分にあった片付けテクニック」を模索することができそうです。
●片付けられない.com
●AUBE
私自身も、冒頭でも記述したとおり、ウォークインクローゼットやパンドリーなど「来客からは見えないところがゴミ屋敷」と化しているので、相談を検討しています。
■参考になるお片付け本2選
お片付け本を買ってもレベルが高すぎて役に立たない、という方には、ADHD当事者や、「本物の汚部屋」から脱した「サバイバー」とも言えそうな作者の著書がお勧めです。
(しんまる子)