※本記事は2月22日のアップデート前に執筆したものです。アップデートによって一部仕様が変更されていますのでご注意ください。


『VALORANT』や『Apex Legends』、『オーバーウォッチ 2』などのFPSをプレイしていると、どうしても悩むことがあります。それは「自分のエイムが悪い」ということ。

(※エイム=敵に照準を合わせること)

FPSやTPSなどのタイトルにおいて、敵を発見してから倒すまでに、認知→照準→クリックというプロセスを如何に素早く行えるかが勝敗を握ります。戦術やマップ理解などの要素はともかくとして、手っ取り早く勝利する方法は相手をねじ伏せることです。パワー。

エイムを上達させる方法には、ゲーム内の射撃訓練場での練習をはじめ、一部のコアゲーマーは外部のエイム練習ソフト『Aim Lab』や『KovaaK's』などを利用している方も多いのではないでしょうか。


ただいかんせん、つまらんのですよ。謎のbotや変な球体を撃っていても、上達はするかもしれないけど、つまらんのです。よほどの向上心がないと続きませんわ。

◆彗星のごとく現れた『NIKKE』PC版

そんな無気力で自堕落な筆者が見つけたのは『勝利の女神:NIKKE』のPC版がリリースされるというニュース。PCでばかり遊んでいる筆者はスマートフォンのゲームはほとんどプレイしませんが、「PC版出るならやってみようかな」と詳しく調べると、公式のQ&Aに気になる文章を見つけました。

「キーボードやマウスを使って、より精密な射撃アクションをご体験いただけます。」
つまりバチバチにエイムできる…ってコト?

とち狂った筆者は『勝利の女神:NIKKE』でエイム練習ができるんじゃないかと思い立ち、早速インストールしてみたのです。


簡単に『勝利の女神:NIKKE』をご紹介すると、本作は“背中で魅せるガンガールRPG”と謳われるタイトルであり、謎の生命体に占拠された地上を奪還すべく、指揮官として「NIKKE」と呼ばれるヒューマノイドを導きます。美しいNIKKEたちの背中もさることながら、ケツがやたら揺れることでも話題を集めています。対象プラットフォームはiOS/Androidと、今回リリースされたPCです。

余談ではありますが、筆者の感想をお伝えすると、メインストーリーが案外難しいという印象。敵を倒す順番をしっかりと考えることやキャラクターを強化することが求められ、なんとなくプレイでクリアするのはほぼ不可能です。なかなか硬派。


そして、グラフィックがとにかく美しい。『十三機兵防衛圏』に代表するゲームスタジオ「ヴァニラウェア」を思わせるような美しいグラフィックでリッチに表現されています。

◆結論としては、エイム練習は“できなくもない”

実際にゲームを進めると、本作には複数の武器種が登場するとわかりました。そのなかでも、エイム練習に向いているのは一部の武器。ロケットランチャーやショットガンなどは論外として、アサルトライフルやサブマシンガン、マシンガンなどの総点数の多い武器では、動く敵を狙う撃ち方(いわゆるトラッキング)を練習できます。

そのなかでも、スナイパーライフル(SR)であれば、正確に敵に弾を当てることが求められるため「しっかり狙う」というエイムにおける大事な意識を育ててくれます。
あと純粋に、一撃のダメージが大きいSRで敵をバシバシ倒していくのは楽しい(でも、まともに使えるSRキャラを入手できるとは限らない)。

ただ、残念ながらエイム練習に向いていないと感じる要素も多いこともまた事実です。まず、レティクルとマウスカーソルが同期されていないこと。一般的なFPSでは、基本的にマウスカーソルとレティクル(照準器)は同期されています。マウスカーソルがスクリーン端っこにあると、一度カーソルを画面中央に持ってきてからエイムする必要があるので、連続した戦闘でプレイしにくくなっているのです(2月22日のアップデートでカーソルと照準点を同期する設定が追加されたようです)。

また、マウスを動かす速度によってカーソルの移動距離が変化するいわゆる“マウス加速”をオフにするほか、DPI(Dot Per Inch)を普段プレイしているゲームに合わせる必要があるなど、準備もそこそこ面倒です(これは別のエイム練習ゲームにも言えることはある)。


加えて、敵が連続して登場する場面ではカメラが大きく動き、それに合わせて照準が大きくブレるのは大きなストレス。ゲーム的に正しいとされる派手で爽快なエフェクトも、敵をしっかり視認するというエイム練習においては邪魔でしかありません(エイム練習を想定してないからそりゃそうだ)。

◆『NIKKE』じゃなくても良いかも

なにも『NIKKE』でエイム練習することはないじゃないか...という気持ちになってきましたが、オフラインゲーム(いわゆるソロゲー)をやるような感覚で遊ぶのであれば、『NIKKE』は良いゲームです。

冒頭で述べたエイム練習へのつまらなさを解決したいのであれば、正確なマウス操作が求められるリズムゲーム『osu!』や『BEAT AIMER!』がオススメです。音楽に合わせてアクションを繰り出すという、リズムゲームが持つ楽しさを噛みしめながらも、しっかりとしたエイム練習になります。

◆NIKKEは可愛い

本稿の結論は「『NIKKE』でエイム練習するのはちょっとキツいかも」ということではありますが、『NIKKE』は声優が豪華で絵も良い。
これに尽きる。エイム練習なんてできなくていいんや。

最初から所持しているNIKKEのひとりである「ラピ」のCVは石川由依さん。『NieR:Automata』の2Bや『モンスターハンターライズ』でフィオレーネとして、ゲーマーにも馴染み深いですよね。凜とした透き通った声が特徴的で、ラピの台詞はなんど聞いても飽きません。

そのほか竹達彩奈さんや高橋李依さんなど、著名な豪華声優陣が声を担当しています。ホーム画面でタッチすればレスポンスをくれるし、戦闘中は頻繁に喋ってくれるので、女性声優の良い声を堪能するという意味で、とても良いゲームです。

FPSは対人戦であり、楽しさだけでなく苛立ちや憤怒、悲愴、狂気を感じるものです。それに加え、自分のパフォーマンスの悪さによってこの世の終わりのような絶望に打ちひしがれることばかりです。

でも、NIKKEたちを見てください。地上を謎の機械生命体に支配されつつもたくましく生きる姿を見ていると、なんだか次のマッチでは勝てる気がしません?しませんね。

ほなスマホ版『NIKKE』をインストールしましょう。好きなキャラをホーム画面に表示させてタップしましょう。FPSで培った怒りの感情は、そうやって少しずつ鎮めるしかないんです。

と思ってデスマッチに行ったらめちゃくちゃ弾当たったので、やはり声の良い可愛いと思えるキャラクターを愛でることが、最強のエイム練習なのかもしれません(?)

もうわかりません。ちょっと、横になります。